求められている「学生像」を演じて面接官を喜ばせ、就活というゲームを簡単に勝ち抜いた私。しかし、働き始めた会社が求めてきたことは、就活とはまったく異なることだった。ハローワークで私を担当した「おばちゃん」は、進路に迷い投げやりな私には、優しい言葉をかけてはくれなかった。目の前にいる誰かが私に求めているもの、そして私自身が求めているものに思いをめぐらせたとき、見えてきたものは……4月に掲載されたエッセイのなかから、多く読まれた5本を紹介します。

①「就活」というゲームで多くの内定を手にした私は、仕事ができない(アンナ)

あらすじ)特技を聞かれたら「就職活動」と言えるほど、たくさんの内定を勝ち取った。就活は、企業側が求められる「理想の就活生像」を演じればいい、簡単なゲームだと思っていた。そしてある有名企業を就職先に選んだ私は、そこで「仕事ができない」という挫折を味わうことになった。

②早く実行するべきだった。最高の時間だった念願の「ひとり食べ放題」(ゆぽ)

あらすじ)食べることが大好き。そして、人よりもたくさん入る胃を持っている私は、友達らと一緒に「食べ放題」に出かけていた。しかし、ついつい周囲に合わせて食べる量を控えてしまっていた。ひとりで「食べ放題」に行く勇気を持てなかった私だったが、大学生になってハマったYouTubeには、当たり前のようにひとりで「食べ放題」に出かけている人たちがいた。

③ハロワで私をKOしたおばちゃんは、仕事として私に向き合ったのだ(佐藤美月)

あらすじ)進路に迷い、半ばヤケクソで就職先を探していた高校生の私。学校の先生に行くように言われた地元のハローワークで、私の担当となったおばちゃんは「何がしたい?どんなものに憧れる?」と丸腰で来ていた私に質問を連発、「あなた、もう学生じゃいらんないのよ」と私を圧倒した。

④交通事故と聞いていた彼女の死。私はSNSで最期の投稿を見つけた(まよまよ)

あらすじ)高校時代、友人が亡くなった。見た目も普通で、喋れば普通に楽しくて、勉強も運動もほどほどで、友達もそれなりにいるような子。いじめられているとか家庭環境が複雑とか、そんな話は聞いたことがなかった。新学期に学校に来ず、交通事故で亡くなったと告げられたが、私は疑った。そして私は彼女のSNSアカウントを探し当て、その最期の書き込みを見たのだった。

⑤派遣アルバイトとして働く私の、派遣先の当たりハズレの見分け方(純江つぐみ)

あらすじ)大学時代から登録式の派遣のアルバイトをしている。指定の日時に会社が提示した現場に行くか、提示された数カ所の現場の中から自分で好きなところを選んで行く。現場によって当たりはずれが大きいのだが、それを見分ける方法を、一つだけ見つけることができた。


4月に読まれたTOP5のエッセイは、このようになりました。
さらに6位以降は次の通りです。こちらもぜひ読んでみてください!

年下の商社マンに頭を下げる工場長を見た、あの日が私の人生の転機(陣ちとせ)

休職した私を優しくハグしてくれたのは、おじさんではなく会社だった(アンナ)

高校最後の日、初めて「お母さんのお弁当」が羨ましいと思った(ピンクピーナッツ)

入院中に出会った、限りなく裸に近い「わたし」を好きになった(たなかあかり)

母親に私と同い年の彼氏ができた。私は「実家」と呼ぶのをやめた(アスカ)

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