発達障害が遺伝する可能性がある。だから子どもは産まない
私はまったく子どもを産みたいと思わない。
「子どもは“何人”欲しい?」と、子どもが欲しいのが当たり前のように聞かれることもあるくらいで、「子どもは欲しくない」とは言いづらい世の中だと思う。
それでも、私がどうしても子どもが欲しいと思えない最大の原因は、私の発達障害が遺伝する可能性が高いからだ。
発達障害は、何をするにも不器用でミスが多かったり、人の話が理解できなかったり、空気が読めず他人と良好な関係が築けなかったりと、社会生活を送る上でどこでも必要とされる能力が生まれつき欠如している障害である。
私自身、これまで学校や職場などあらゆる場所で嫌われてきたし、いじめを受けたこともある。綺麗事抜きで、発達障害の人が普通に人生をまっとうするのは、普通の人の何十倍も難しい。子どもにも同じ思いをさせるかもしれないと思うと、とても産む気にはなれない。
しかしネットを見ていると、同じ発達障害でも結婚して子供がいる女性も多くいることを知った。そしてやはり、彼女たちの子どもの多くは発達障害を抱えている。
彼女たちも、発達障害が遺伝する可能性があることくらいは知っているだろうに、正直なぜ産もうと思えるのかまったく理解できなかった。
子どもを産む気はないけれど、100%産まないと断言はできない
ただ最近になって、自分の中で少し変化があった。
先日、ある男性と付き合ってもいないのに体の関係になった。彼とそういう行為に至った理由は、単純に彼のことがタイプだったからだ。
出産する気がなければ、きっと結婚も難しい。子どもを持たずに結婚するにも、発達障害の特性は他人と生活を共にする上でも大きな障壁となる。
結婚というゴールがなければ、普通の健全な恋愛をする意味もないと私は思う。
一般的にはセフレという関係にいいイメージを持つ人は少ないだろうが、実は大きなメリットがある。普通の恋愛と違って体の関係だけなら、自分には付き合えないレベルの男性とでも関係を持てるのだ。
仮に予期せず妊娠してしまったとして、イケメンで頭も良くて優秀な男性の子どもを中絶する勇気があるだろうか?中絶したとして、今後1人で生きる人生に価値はあるのか?1人で生きる人生に希望がないなら、産んじゃえば?
自分の中で一瞬、子どもを産むという選択肢がよぎったのだ。
身勝手だと思われるだろうが、出産は所詮、親のエゴである。子どもを産むのが当たり前だと思って深く考えずに子どもを作る人も多いだろうし、子どもがいないと老後が寂しいとか、自分の都合のために子どもを産んでいる人なんていくらでもいる。
逆に、子どもを産むための高尚な理由など、いくら考えても思いつかないのだ。
「好きな人の子どもを産みたいと思うのは自然な欲求」とか「自分と彼の遺伝子を後世に残したい」とか、マイルドに表現すれば聞こえは良いかもしれないが、私からすればどれも身勝手な理由にしか思えない。
私は今後も99.9%子どもを産む気はない。ただ、100%産まないと断言することはできない。
もし自分が子どもを産むとしたら、自分と好きな人の遺伝子をミックスしたらどんな子が産まれるんだろう?くらいの好奇心でしかないだろう。私の出来損ないの遺伝子だけではなく、彼の優秀な遺伝子も受け継いでいるのだから、幸せになれる可能性もゼロではないはずだ。
別に悪いことではないと思う。出産は所詮、親のエゴなのだから。