私は、春から専門学生となった。
果たしてこの決断は結果的によかったのか、今はまだわからないけれど、後悔のない学生生活にしたいと強く思う。
ほとんどの生徒が進学するなか、専門学校に進路を固めた
私の通う高校は、そこそこの進学校だったと思う。教師からは国公立の大学へ行くことを推奨され、毎年数名は公務員になって就職する人もいるが、ほとんどの生徒が進学の道を選ぶ。高校を選ぶときには、卒業後のことや勉強の難易度なんて考えていなかったから、そうとは知らず。
入学後、課題の多さや受験に対する意識の高さに驚いた。校則ももっと緩くしてほしかったし、高校ではもっとエンジョイするつもりだったのに。高校時代は部活に打ち込み、そしてかけがえのない友人を作ることができたから、高校選びを間違えたとは言わないし、言いたくないけれど。
元々真面目で負けず嫌いな性格だったというのもあって、高校でやや難しくなった勉強も挫けることはなかった。やはりテストで良い点、通知表では良い評価がほしかったし、特に自分の財産となるような勉強は日頃から怠りはしなかった。
具体的なことは決めていなかったが、就きたい職業の業種は、一年生のときから何となく決まっていた。そして、独自に調べ、専門学校のオープンキャンパスに足を運んだりして、進路を固めていった。
幸いにも、両親や担任の先生には応援してもらえた。
「もし文系の大学に行っていたら?」今でも時々考える
だけど、成績では大学進学も充分可能だった。
担任の先生との面談でも話題になったことがある。大学進学はどうか、と。実際のところは全く眼中になかったのだけど。というか、どう選べばよいのかわからなかった。
同じような分野の専門学校は数校ほどで、それらを比べればよい。しかし大学を選ぶならば、卒業生が進学していった学校の幅は広く、さらに学部も考えなくてはならない。
根っからの文系だが、様々なことに興味があり、大学進学しか視野になかったのなら学校や学部をなかなか決められず、無難なところを選んでいただろう。
そして今でも時々考える。
もし、文系の大学に通っていたらと。
きっとそれはそれで楽しめたのだろう。
海外に留学してみたい。サークルで軽音をやってみたい。もっと歴史や国語や英語といった、興味があることを深く勉強をしたい。
就職活動だって普通に頑張って、出版社など本に関わる会社に就職するのもいいかもしれない。
ドラマや小説といった創作の世界、噂で聞くようなキャンパスライフに憧れもある。
好奇心が旺盛で、自分がやりたいと思ったことはなるべく実行しないと気がすまない性分だから、多くの人と出会って、充実した大学生活を送っていただろうなと思う。
「間違った」と思わないように、自分で選んだこの道を生きていく
結局どっちの道を選んでも、最後の学生生活は楽しいものになったのだろう。だからこそ、本当にこれでよかったのか、と考えてしまうこともある。やりたいことを勉強するためとはいえ、受験勉強から逃げたことになれば、それは本意ではない。
専門学校で学ぶことは、可能性を狭めてまでやりたいことなのか、という疑念がつきまとう。自分で選び望んだ進路とはいえ、それが向いているのか、果たして学び続けられて仕事にしたいと思えるほど本当にやりたいことなのか、わからなくなって自分を見失うことがある。
そんな不安とは裏腹に、いざ始まった専門学校の授業は、興味深いものばかりで毎日楽しい。同じような進路を目指す人たちに囲まれているからか、話が合う友人にも恵まれた。
この学校での頑張り次第で、希望の進路を叶えられるだろうと思う。
もう一つの可能性を捨ててまで選んだこの進路。この道は間違っていたと数年後に思わないように、今を後悔のないように生きなければいけない。