特集:眠れない夜の理由

寝ずに制作した連鶴、花のくす玉。私の「折り紙」への愛はとまらない

眠れない夜の理由

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創作意欲で眠れなくなる。紙工作が何より大好きだった

怖い夢を見て眠れなくなった。悩むことが多すぎて眠れなくなった。仕事や課題が終わらなくて眠れなくなった。眠れない状況は、あらゆる状況で起こりうる。
そんな中、私の眠れない夜は、創作意欲からだった。

私は幼い頃から絵を描いたり工作をしたりすることが好きだった。休みの日も平日も、夜まで創作活動をしていた。
創作活動にハマって、中学の時に美術部に入った。
絵を描くことも好きだったが、それ以上に紙を使った工作が好きだった私は、やりたいことを見つけた。
一万羽鶴を作ることだ。
千羽鶴は作ったことがあり、千羽鶴を作る人は何人か見てきた。でも、一万にもなるとあまり聞いたことがない。やってみる価値があると感じた私は、姉や部員、友だちを誘い、一万羽鶴の作成に力を入れた。

鶴を折るスピードがどんどん早くなった。でも、ただ折るだけではなく、紙を切ったり、糸で通したり予想とは違う部分で時間がかかることがあった。いろんな人の協力のもと、十ヶ月ほどで一万羽鶴は完成した。
部室に吊るされた鶴の大群。圧巻だった。やはり千羽の十倍の数ともなると迫力が違う。
この時私は、もっと作りたい、インパクトのあるものを作ってみたいと思った。

大学祭に向けて、伝承連鶴を50種類完成させて展示する

そんな時、家族旅行で行った折り紙博物館で、ある一冊の本と出会った。
「伝承連鶴」だった。
自分の地元の三重県で江戸時代から伝わっている、伝統ある折り紙の技法。一枚の紙に切れ込みを入れ、ノリを使わずに何羽も鶴をつなげる。一枚でできているとは思えない見事な鶴の大群は、私の創作意欲を掻き立てるものだった。本を購入し、早速作り方を見て折り始めた。

難しい。紙が薄いと切れ込み部分が破れてしまい、鶴がバラバラになってしまった。折る向きが違うと、完成図とは違うものになってしまう。切れ込みそのものが難しく、切れ込みを入れるだけで数日かかることもあった。
でも、私は伝承連鶴の虜になっていて、それをどうしても世に広めたいと思った。

そこで大学の学祭で、伝承連鶴五十種類を完成させ展示することを決めた。
学祭の日という期限があるため、寝る間も惜しんで作業に取り掛かる。失敗続きで投げ出したくなることもあったが、それ以上に完成させたい気持ちがまさった。そして学祭前日、ついに五十種全てを完成させた。

自分のブースに、憧れだった伝承連鶴が並んでいる。見に来るお客様の驚いた姿は、さらに私の気持ちを高まらせた。来年も、絶対いい学祭にしたい。そう思った。
しかし、これを超える作品ができるのかと思った時、無理な気がした。良い作品が思いつかないまま数ヶ月が過ぎたある日、私は新たにやりたいことを見つけた。

花のくす玉だ。本屋で折り紙の本を眺めていたときに飛び込んできた、鮮やかな花のくす玉の表紙の本。
こんなくす玉が飾られていたら、晴れやかな気分になれる。そう思った私は花のくす玉の本を購入した。知らない花の名前がたくさん出てきて、調べて折り紙で再現されているクオリティーの高さに感動した。
これだ!と思った。去年に勝る作品なんて無理だと感じていたが、これなら超えられるかもしれないと感じた。

花のくす玉をほぼ完徹して作り上げ、達成感でひとしお

そこからは、とにかく折り続けた。くす玉にするにはたくさんのパーツが必要で、色を揃えることにも苦労した。でも、私は自分のブースで感動してもらえるように、何十種類ものくす玉を作って飾りたいと思った。
しかし問題があった。時間がない。学祭まで、あと数ヶ月。
寝ている時間がもったいない!
学祭当日までやってやる!
完徹だった。でも、全く嫌な気がしない。眠れないと悲観的になることは一切なく、完成されていく作品たちが愛おしく、創作意欲が掻き立てられ、眠たいとも思わなかった。

学祭では、たくさんのお客様が私の作品を見てくれた。すごいと声もかけてもらえた。自分のブースに集まる人たちを眺め、最後までやり通したことに満足した。
私の眠れない夜は清々しい気持ちの夜だったと、今でも誇らしく思う。

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