ここ数日、円安、原料高など不穏なニュースが絶えない。SNSでは、ひたすら国民に対して波風起こさぬよう発言をすることに必死な岸田政権を批判をする人々が続出している。
政治批判はいつの世にもあるものだが、コロナ禍が始まって以降、世の中の空気はピリつき、また政治批判も急激に増加したと感じる。

少子高齢化が深刻な日本ではなく、海外移住という選択がよぎる

さらに先日、イーロン・マスクが日本の少子高齢化問題に言及したことで海外でも日本が「政府の政策失敗による少子高齢化が深刻な国」と認識されているのが、人々の間で明らかになったのではないだろうか。

これまで自分自身のことで手一杯で、世の中について考えることのなかった私は、コロナ禍で生まれた不安感や憂鬱な気分から、社会問題に目を向けるようになった。
平常時には雲隠れしていたことが、コロナやロシアのウクライナ侵略によって多くの人々の目にはっきり留まるようになり、これ以上日本がさまざまな問題を先延ばしにすることができない状態に陥ったと感じる。
今年、就活をして先月無事にそれを終えた私も、就職するまでのモラトリアムをのらりくらり暮らしているわけにはいかず、今後を考えながら生活していかなくてはならない。最近は、そもそも日本で働くこと自体が最早得策ではないと思い、いずれはもっと給与の高い外国で暮らせないかと考えることがある。
きっと私だけではなく、若い世代の人々で同じことを考えている人は一定数いるだろう。

苦難があっても、移住という選択肢が若者に広まっていいと思う

こういう考えに至ることは、ニュースに日頃触れている人ならば誰でもできると思うのだが、そこから先がとても難しい。
実際に移住したとして、自分が望むような仕事に就くことは日本よりも大変だし、生まれ育った環境とは全く異なる環境に順応する努力も必要だ。
観光することと暮らすことは180度違う。ただ単に観光しに行って「この街は良いところだな」と思っても、それは観光に適した土地しか見ていないからそう思うのであって、実際に人々が置かれている状況や生活環境を知ることは1週間や2週間の旅行では不可能だ。そして、どんな国も一長一短あり、メリットだけの輝かしい国などない。

それでも給与の低さや子育てをする上での問題が山積している現状の生活からの脱出方法として、私は他の国で暮らすという選択肢が若者に広まっても良いと思っている。
本当は選挙に行って投票することで、国の制度を大きく変えられたら良いけれど、人口分布において圧倒的に高齢者の比率が高い今、やはりその実現は厳しい。その上、体たらくな政治家を日々目にしている私たちであるから、「将来は総理大臣になりたい」と思っている若い世代は今ほとんどいないのではないだろうか。だから、他の国に行くという選択肢は、私のような若い世代にとってとても現実的だし、突飛なことではないと思う。
若い世代は日本という泥舟に乗り続ける必要はない。
自分自身の人生を考えて、どこで生活していくべきかを考えるフェーズにまで、日本は来ているだろうと私は思う。