2022年4月からの「育児・介護法」改正のニュースに関して、男性の育児休暇にフォーカスして、綴りたい。
最初に、私は独身で、子どもはいない。彼氏もいないので、子どもについて将来のパートナーと話したこともない。
『出産について思うこと』同様、自分自身には育児の差し迫った予定がないため、当事者の皆さんとは温度感が違うことを自覚している。独身のときはこう考えていたという記録にしたい。

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2022年4月からは、育休の制度の周知と意向確認が事業主に義務づけられることになった。さらに10月ごろには「男性産休」制度の新設が予定されている。
育休中の友人がいるので、今回のエッセイを書くにあたって、男性の育休について聞いてみた。

友人の夫はボーナス月に1日育休を取得したらしい。
期間について不満がなかったのか、とさらに質問すると、友人は実家が近かったことと、夫の職場の理解があり、平日でもわりと早く帰宅し、育児を一緒に行うことができたらしい。
そのため、産後の2、3ヶ月はメンタルが落ち込むこともなく乗り切れたそうだ。
育児をどれだけ分担できる環境にあるかで、男性の育休期間は変わるのだと知った。

世の中には、育休を取得しても朝から夜までゲーム三昧で、育児どころか日頃の家事も妻任せで、休暇をエンジョイしている男性がいると、コラムで読んだことがある。
「休暇と名前がついているが、育児をするためであって完全な休日ではない」と怒りのトーンで書いてあったのが印象的だった。

もし将来、私が妊娠をし、産休を取ることになったときに、私の夫となる人に育休を取得してほしいか考えてみた。
二人の子どもだから、最初の子育ては一緒にやりたいと考えている。
しかし、夫となる人が重要なポジションに就いていたり、多数の部下をマネジメントしていたり、世の中から求められる専門スキルを持っている場合、1ヶ月を超えるような長期間の育休を取得してほしいと頼めるだろうか。

そのときの状況になってみないとわからないが、きっと躊躇してしまうと思う。
プライドを持って取り組んでいる仕事を、軽んじていると思われる懸念もある。
男性側も業務に穴を空けることへの罪悪感もあるに違いない。

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居場所がなくなってしまう恐怖は女性も同じだ。
優秀な女性の先輩が、育休後戻ってくるポジションがあるか気にしていた。
元いたチームに戻れることは確定しているのだが、先輩の代わりの仕事をする人として、中途採用を行ったからだ。
産休に入る前から、復職を望まれていた先輩でも不安になるのであれば、復職を望む全員が不安になるに違いない。

男性の産休・育休制度整備の狙いでもあるが、属人的なオペレーションから抜け出すことは、組織力を高めることに繋がると考える。
自分の任せられる環境があるかないかでは、心理的負担も減るだろう。
男性の産休・育休をきっかけに女性の産休・育休への不安が減ることを願っている。

今、私は産休・育休中の方のオペレーションを支える側であるので、まずは不在中の仕事を任せても問題ないと思ってもらえるように、目の前の業務内容の充実を目指したい。