恋をすると、人は強くなれる。
恋をすると、それまで知らなかった自分の側面が見える。
恋をすると、かわいくなる。
恋の力は偉大で、人を狂わせる。
真面目に生きていた子が不真面目になる、それが恋。
朝起きて、身支度を整えてスマホを見る。
「おはよ」が届いていると、「あ、ちゃんと起きてる」と、くすっと笑ってしまう。
彼も仕事をしているけれど、少しだけ朝が弱いから。
私も「おはよ」と打って、家を出る。
昨日の夜話したことを思い出しながら、
「はぁ、恋って楽しいなぁ」
とマスクの下でニヤつきながら、オフィスに向かう。
会えることが嬉しく楽しい。恋は、忙しい平日も楽しみを与えてくれる
忙しい平日もたまには会う予定をたてる。
健康だけれど、「歯医者」や「通院」を理由に仕事を早退する。
普段は、残業で19時や20時を越えることもあるのに、デートの日だけ足早にオフィスを出る。
真面目に仕事を頑張る女の子が、不真面目になってしまう瞬間だ。
待ち合わせ時間には絶対に間に合うのに、駅まで早歩きで行ってしまう。
仕事終わりでパサついた髪の毛を、歩きながら手で整えて、メイクが崩れていないか気になりながら、とりあえずリップだけ塗っておく。
電車に飛び乗って、「今電車乗った」とメッセージする。
たった20分電車に乗るだけなのに、遠くに行くような感覚がして、待ち遠しくなる。
「待ち合わせ時間ピッタリに着ける!」と思うと、たいてい彼から「ごめん、仕事長引いてちょっと遅れる」と連絡が。
「まあいつものことだよね」と待ち合わせ場所に行くと、いたずらっ子な顔をした彼が既に待っていたりする。
好きだから、全部許せてしまう。
嫌いになると、全部がいやになる。
気持ちが冷めると、相手が面倒臭くなる。
恋のカラクリを少し知っているからこそ、もっと大人な心で、寛大な心で、お互いを包み込むような恋愛がしたいと思った。
だから、彼が遅れてきても気にならないようになった。
会えることが、声を聞けることが嬉しいのだから。
私の過去を全て知っている彼に、隠すことも強がることも必要ない
今の彼とは友達歴が長い。
私の過去の恋愛も、上手くいかなかった恋も、忘れたい思い出も、知ってる。
お互い、隠したいと思うような、ダークな過去の思い出話も、知っているからこそ、素直に付き合える。
忘れたい思い出っていうのは、若さゆえの失敗や、燃え上がってしまった恋のこと。
18歳の頃、SNSで出会った8歳年上のヨーロッパ人と付き合って、結婚しようと言われた話。
年下男子をたぶらかした話。
ディズニーランドに行った回数以上に、ラブホに行ったことがある話。
ついグレーな関係を築いてしまうから、正しく生きようと思って連絡を絶ち切ったのに、再燃してしまった話。
清純に生きることは、私には似合わない。
そんな忘れたい過去も彼には話してしまったから、もう隠すことはない。
何でも素直に言える、素直に甘えられることが、良い恋愛なんだと、実感した。
「バリバリ仕事をする姿は可愛くない」と思って、知っている知識やニュースを、知らないふりして男性の話を大人しく聞く必要もない。
「何でもできる」私でも、泣きたい日もあれば、誰かに抱かれたい日もある。
「もう無理」と弱音を吐ける相手がいるのが幸せなんだ。
「実は」と自分を打ち明ける恐怖に負けたら、「本当の自分」を見失う
素直な恋愛をするのは難しい。
「実は、二次元がすき」
「実は、セックスがすき」
「実は、ズボラで料理が苦手」
「実は、○○」を相手に打ち明けることで、それまで見せていた「自分」のイメージが壊れてしまわないか、「女の子らしくない」と思われてしまわないか、怖い。
だけれど、相手のために、見せたい部分だけを見せていると、いずれ、「本当の自分」を見失ってしまう。
だから、全部包み隠さず、伝えられる相手が、あなたにはいますか。