突然だが、私は自分の体型が好きだ。身長158cm、体重58kg。
読者の方はどう思われるだろうか。
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けっして細いわけではないし、身長から考える標準体重よりも重い。大学の友人たちに比べると腕や足が太いのはわかっている。ただ、趣味のランニングや筋トレの影響で筋肉質なのである。腹筋だって線が入るし、よく言えば腕や足はムチムチだ。胸も豊かな方だと思う。
自分の体型が大好きだから、ノースリーブやスキニージーンズなど、自分の体型が出る服装を積極的に着るし、背筋を張って胸を強調する。
あまりにも体型を出す服を着るので、通りすがりや電車の中などで、男性に胸元をジロジロ見られるような感覚を覚えることがある。気にしすぎかもしれないが。そのような視線は嫌だけど、そんな奴らは気にしない。知らない人に見られるからといって、私が好きな服を着るのは止められない。
だが、このような考えに到るまでは紆余曲折があった。
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つい数年前の大学1、2年の頃は、自分の体型や顔が好きになれなかった。だから、50歳後半だった母親が着ていた、体型が隠れるダボダボの洋服を着ていた。
自分の太めの体型を晒すことは公害だと思っていた。なんて、自分を労わらない惨めな考え方だろう、と今となっては思う。
当時の私は、世間から暗黙の了解的に囁かれる、「“かわいくない”女は目立たないようにすべき」「太い女は引っ込むべき」という考えに呪縛されていた。
こんな卑屈な私を変えてくれたのは、海外ドラマや留学だった。
海外ドラマでは、女の子たちは体型に合う思い思いの服装を着ていた。留学で出会った友人たちは、インスタグラムに水着姿、胸の形がはっきり出るような服装を着ている写真、ミニスカートの写真をアップしていた。中には、自分のことが大好きで、インスタグラムが自撮り写真で埋め尽くされている子もいた。
自分の体型を隠すべきなんて、誰も思っていなかった。まるで、自分が生まれ持ってきた体を、どうしたら最大限良く見せられるかを考えているようだった。
そう、彼ら、彼女らは、「他の人がどう思うか」なんて微塵も気にしていなかった。
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大事なのは、他人の意見をまっさらにした上で、自分がどう思うか。だから私は、他人の言うことなんて気にしない。
男性は細い女性の方が好みだから、痩せた方がいい?そういう男性は願い下げよ。私は私の体型が好きな男性を探すわよ!
体型を強調する服装を着ると痴漢に合う?痴漢する奴らのために、私は着たい服を変えないわよ!
今は23歳なので、世間一般的に見て「若い」分類に入るのだろうが、これから年を重ね20代後半、30代になるにつれて、今度は社会から「年相応の服を着ろ」の暗示が私に降りかかるだろう。「〇〇歳なんだから、二の腕を出すのはやめた方がいいよ」「もう若くないのにイタい」「〇〇を着られるのは〜歳までだよ」などなどの、ありがたいアドバイスの数々を頂戴するだろう。
だがその時はその時だ。その時の私が着たい服を着るのだ。