20歳のとき、68kgから48kgの20kgのダイエットに成功しました。
小さな頃から太っていた私は、周りに体型を笑われ、いつも下を向いて過ごしていました。ダイエットをしようと決意したことは何度もありますが、20kgまで落としたのは私が19歳の時に出会った初めての彼氏が原因でした。

彼氏に何を言われても、太っている自分が悪いと思っていた

19歳のとき、初めて彼氏ができました。私から告白しました。彼のことがずっと気になっていて大好きだったから……ではありません。周りに彼氏がいたり、みんな恋しているのが普通だったからです。

私は好きな人ができたことがなく、真面目な性格もあって、恋をしてることが普通なんだ、好きな人を作らなきゃだめだ!と思い、同じ大学で少し気の合うだけの男子に「これが恋なんだ」と思い込んで告白したのです。
「これで私も周りの子のようになれる」
そう思っていました。

彼は中性的な顔立ちで、体も細く、綺麗な顔をしていました。私は自分の容姿がコンプレックスだったこともあり、人の容姿はまったく気にしていませんでした。その人が容姿を褒められたとしても、それが本人にとっては触れてほしくないことかもしれないからです。ただ彼は自分の容姿に自信を持っている、所謂ナルシストでした。

「〇〇(私)の学部には可愛い人が全然いないよね。なんで?」
「俺の方が女子より綺麗ってどういうこと?」
「月とスッポン、美女と野獣だね」
「隣を歩いても誰も〇〇と俺がカップルだと思わないだろうね」
……私はこんなことを言われても、それでもなお自分が太っていることが悪い、言われて当然だと思っていました。

美容体型になれた私が知ったのは、以前と別世界の男性の優しさだった

手を繋いでも振りほどかれ、少し後ろを歩きながら泣いて帰ったことも何度もありました。泣いてる顔を見られると「なんで泣いてるの?太っている自分が悪いのに……都合がいいね」と笑われ、さらに自己嫌悪に陥るのでした。
私はそんな言葉を毎日聞き、大好きだったごはんは食べられなくなり、食べても吐いてしまいました。拒食症のような症状でした。それでも体重が減ると喜び、社会から認められているような気分になりました。

そんな生活をして半年で20kg落とし、157cmの私にとっては「美容体型」と呼ばれる、私たち一般女性にとっては服を可愛く着られてメイクも楽しくなるような、いわゆる「可愛い」人の体型になりました。

それからは、彼氏は私の写真を撮って周りに自慢するようになり、街を歩けば男性に声をかけられるようになりました。
男性はみんな親切です。困ってないのに荷物を持ってくれようとしたり、夜になれば「泊まる所ある?」と心配してくれたり。お酒を飲めば「家まで送ろうか?」と。肩を抱かれ、背中をさすられ、指で頬をぬぐられ、頭を撫でられました。

地獄でした。太っているときと世界がまったく別物なのです。それは私にとっては嬉しいことではなく、人の怖さを目の当たりにする日々でした。

この人は私が太っていたらこんなこと絶対に言わない。むかつく、むかつく。私は太っているときと痩せたときを両方経験しているからこれが純粋な優しさではないと分かるけど、体型や見た目も比較的変わらなかった女の人はずっとこんな目に遭ってるの?そう思うと悲しくて悔しくてたまりませんでした。

自分の価値を他人に求めなくていい。私が欲しかった本当の自己肯定感

私が痩せたのは、こんな風に扱われるためじゃない。
そう思った私は「もう一度太ろう」と決心しました。
太ると言っても前ほどの体重ではなく、157cmで52~54kgくらいの、病院のパンフレットにもあるような「健康体重」です。端から見ると少しぽっちゃりしてるな、くらいです。

現在このくらいの体重になり、前ほど蔑まれることも、ちやほやもされることもなく、自分を慕ってくれる人が周りにほどよくいる程度になりました。
彼氏を含めた一部の男性たちに苦しんだ日々。あの日に戻れたら、自分を抱きしめてこう言ってあげたい。

「自分の価値や評価を他人に求めなくていいんだよ」
細くても太くても、今体型に悩んでる子たちにも伝えたいです。あなたが自分を好きでいられるならどんな姿でもいいんだよ。私は普通の体型で普通の人で、周りの女性も男性も擦り寄ってくることもない。みんな私に興味がなく、私に何も求めないし何も奪わない。
私がずっとずっと欲しかったのは、この「何も思われない」という自己肯定感でした。