「いえ〜〜い推しちゃん〜〜私と地元同じじゃ〜ん!!しゅき!かわいいね!!!」
私には尊い推しがいるのだが、初めて推しに送ったラジオメールはこれだ。
もうちょっとちゃんとした文章だったが、テンション感や内容はこのまんまだ。

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なんだこれは。恥ずかしい。
YouTubeで見つけてハマった推しを検索すると、地元が同じでラジオ番組も持っていてお便り募集してるしで、テンションが爆上がりしたとこまでは覚えている。
あの謎テンション失礼系ラジオメールは、何にも考えずに送っちゃったんだろう。
もっと考えて送れよ!!当時の私いい加減にしろよ!と後悔している。
しかし、同時に、あの時の勢いって大事だったなと思う。

新規のころ、いわゆるファンになって日が浅いころの何も考えずに発言していたあの感覚は、恥ずかしくても忘れない方がいいと思っている。

もう推しを推し続けて何年か経つが、私は現在推しにお便りを、気軽には出せていない。
ネタが思いつかないことはないが、「これ送っていいのかな」「この文章なんか失礼な見え方しないかな」と仕事で送るメールより考え込んでしまう。

推しに気を遣ってしまうといえば聞こえはいいかもしれないが、そんな社会性は私にはない。謙遜ではなく他人に気が遣えない障害を持っているので、事実ベースでも本当にそう。
不安になっているだけ。
こんなお便り出して「キモいな」「失礼なやつ」「めんどくせえ」と思われないかなとか、急に心配になってきたのだ。
というか単純に「嫌われたくない」というオタクのエゴイスト精神を、推しに押し付けているのではと思う。
そっちの方がキモいで!まずなんで好かれている前提なんだ!

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そもそも私の推しは心が広いので、そんなに気にすることはないとは思う。
それよりメール件数が多い方が推しの集客力が評価されて番組存続や予算アップにつながるんだから、ジャンジャン送った方がいいに決まっている。

しかし、推しや番組自体はどんなラジオメールも歓迎してくれても、推しの周りのファンがどう思うかな?なんてのも考えてしまう。
当たり前だけど、推しの番組で自分の出したラジオメールの内容が採用されたら読まれるので、私以外の視聴者やファンもその内容を知ることになる。
「なんでそんなこと聞くん」「なんなん、あのテンション」「メールでマウントしないで?」なんて思わないだろうか。

実際、「あのオタクなんなん」と陰口を叩かれる。これはどこの界隈でも多かれ少なかれあること。
私も名指しはこの目では見てないが、「これ、私のことかい?」みたいなことを書かれているのはちょくちょくある。
別に攻撃するわけではなく、このオタク苦手だなあ、という書き込みもある。
「オタクの君の機嫌を取るために推しにメール送ったわけじゃないんだが?ミュートにすれば?」という反抗心が9割を占めるが、やっぱり1割は「申し訳ないな」と思う。
最近はそういうのがちょっと多くなってきているかもしれない。
推しのファンがどんどん増えたために、自分以外のオタクの言動をノイズと受け取る人が増えたっぽいのだ。あとやっぱり人間って繊細だなって思う。自分が大雑把で鈍感すぎるだけだが、本当にそこは変えられないのでスマンと謝ることしかできない。

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けど、そこの部分はオタク同士、視聴者側同士の問題である。推しは関係ない。
私はオタク同士の交流も楽しいし重要だと思うが、オタクと交流するために推しを応援しているわけではない。
最重要ミッションは推しを推すこと。推しに元気を分けてもらうこと。そしてそんな推しが少しだけでも喜んでくれること。
推しが「この人おもしれーな」「素敵な文章を書くなあ」と思うラジオメールを送れたらそれでええやん。そして運よく採用されたらハッピー。自分のラジオメールで番組が盛り上がれば、誰も見てないところでドヤ顔決め込んでおけばいい。

考えすぎちゃうのはよくない。
もし変なメールを送ってしまっても、番組スタッフさんがはねてくれるでしょう。
推しに、勢いよくお便りを送ろう。気持ちを伝えよう。
まだ右も左もわからなかった、あの新規のころのように!