推しの先輩が炎上。推しに悪影響が及ばないことを祈っている

大変な世の中でも、推しを持つオタクにとって1番ざわつくのは、推しのプライベートがリークされたときだ。
熱愛や結婚の報道は大騒ぎになるが、おめでたいことなので、祝福に落ち着く。
しかし、オタクの心をどん底に突き落とすのは、「推しが不倫」「推しがDMでファンに手を出した」そんな耳を塞ぎたくなるような報道だ。

私の推しの先輩に、そのような品性下劣な報道が出た。
私の推しちゃんの不倫報道でなはい。推しちゃんは、そもそも結婚してない。
そして推しちゃんはDMを解放してないから、DM経由でファンに手を出せない。あくまで「推しの先輩」のことだ。私の推しちゃんは、その報道には一切関係ない。

だけど同じ推しを持つオタク仲間、いわゆる「同担」の間でも「推しの先輩」の報道についてはかなり荒れた。
「推しの先輩」は、推しちゃんとかなり近いところにいる。
何度も共演してるし、コロナ禍前は打ち上げで飲みに行ったこともあったみたいだ。
私も「推しの先輩」のことは普通に好きだった。
「私の推しちゃんのこと、よく面倒見てくれてありがとう」なんて思っていた。
そんな身近な人が、不倫やらファンに手を出す野郎なんて「悪影響じゃねえか!」「もう私の推しちゃんに近づかないでもらえます!?」と、思わずヒステリーになってしまう。
こんなオタクが騒いだところで、何の役にも立たないというのに。

人としてサイテーでも、未成年に手を出したとか強制わいせつを行ったとか、れっきとした被害者がいて、法の裁きを受けることをしたわけではない。
どんなに女性関係にだらしなくモラルがなくても、お芝居も歌もトークも上手いのが「推しの先輩」だ。
そんな人が近くにいることは、きっと推しちゃんのためにもなる。
でも他にも優秀で品行方正な先輩もたくさんいるのでは?
お芝居も歌もトークも上手い=女性関係にだらしがない、なんて方程式はないし。
推しちゃんの人間関係に口を出してしまうほど、切実に心配してしまう。

そしてその「推しの先輩」を推していた人たちは、「自分の推しが不倫をする人だとは思わなかった」「ファンに手を出すなんて」と嘆いてげっそりしている。
かわいそう。マジで見ていて辛い。
裏切られた気持ちと悲しい気持ちと怒りの気持ちが、SNSで粛々と連なっていた。

推しの人間性に惚れている。推しと関係性がある以上、炎上は問題

一方、今回に限らず「別にちゃんと演技したり歌ったりするのなら、推しのプライベートなんて関係なくね?」という意見をよく聞く。
個人的に、それは違うと思う。
オタクは、推しという存在の人間性にも惚れて、かなりのお金や時間を使って応援している人が多いのではないかと思うからだ。
大前提として私は、私の推しちゃんの歌とお芝居が大好きだ。素晴らしいものだと思う。
そして人間性と表現は関係ない、切り離して見るべきだとも思っている。
でもそれなら、推しちゃんの歌や演技を見聞きして「うふふ」と楽しむだけで満足するはずだ。

推しちゃんの日々のSNSを追ったり、フリートークの多いラジオを聴いたり、お手紙を書いたり、何万円もかけてトークイベントに現地参加行ったりするなんて、相当人間性にも惚れ込んでいる証拠だ。
もちろん推しちゃんが本当はどんな人間かなんて、全く知らない!
ファンに見せているのはほんの一部、というか営業用の顔だろう。
裏では全然違う性格なんだろうし、「俺のオタクきもい」と思っているかもしれない。
というか思っていてくれて良い。
少なくとも私の推しちゃんは、歌やお芝居がしたくて芸能人になったはず。
しかし歌やお芝居のお仕事以外にも、事務所の売り方のせいか、ホストのような色恋営業も多い。
「なんで知らん女に愛想振りまかなきゃいけねえんだ!」とフラストレーションが溜まっているはずだ。
しかしそんな素振りは一切出さず、笑顔で「みんなが喜んでくれるのがうれしいですよ!」というスタンスでいてくれる。これもまた、素晴らしい人間性というやつですわ。
私も推しちゃんのリップサービスには、心が踊る。

そうやって人間性に惚れこんで、グッズもたくさん集めて、お金をためて高いチケットもたくさん買っていたのに、不倫してました〜!ファンに手を出しました〜!なんて言われたら、キツすぎる。想像するだけで吐きそうだ。
「推しの先輩」も「よくできた人、ファン想い、信用性がある」と言われるキャラクターだったから、打ちのめされた人は多いと思う。
キャラクターを守るために隠していたと思うけど、事実として知っちゃったら見て見ぬふりなんてできない。
オタクは、推しがライブで歌詞を間違えても、セリフで噛んでも、トークで滑っても「きゃわいい〜」と許すちょろいところがある。けれど、品性下劣な行為にまで目を瞑るほど、オタクはバカじゃない。

熱愛報道の覚悟はある。誰かを傷つける行為だけはしないで

ちなみに私の推しちゃんは最近、サラダを食べていると嘘をついて揚げ物ばっかり食べて太り、マネージャーに「痩せろ」と怒られた。
これは容姿も商売道具の1つのタレントとしては失格なのに、「きゃわわわわわ」と思ってしまう。これが推しを甘やかすちょろいオタクだ。
しかし本当に、マジで、悪いニュースはそういうレベルでいてほしい。
これだけ「推しちゃんの先輩サイテー!清廉潔白な推しちゃんに近づかないで!」なんて言えるのは、今だけかもしれない。
別に、私の推しちゃんを疑っているわけではない。
何もないあなたの推しも、あの人の推しも、絶対に今後何も起こらない、なんて言えるわけがない。
仕事で嫌なことがあってすれてしまうとか、誘惑に負けちゃうとか、貰い事故でとか、どんなところにトリガーが転がっているかわからない。決して、対岸の火事ではないのだ。

単純な熱愛報道や結婚報道は、祝う覚悟はできている。
お願いだから、誰かを傷つけたり、擁護できないような、人として良くない行為をすることだけはやめてほしい。