私は今、少し落ち込んでいる。いつもはもう少しポジティブだ。
落ち込んでいる理由は、ピルの副作用だと思う。飲み始めて1週間経つ。生理前のような気分の落ち込みが続いている。徐々に良くなるとのことなので、じっと待つしかない。
という文章を、3連休の初日、昼間なのにカーテンを閉め切った布団の上で書いている。
何もしないとぼんやりとした不安に押しつぶされそうなので、ピルを飲むことにした経緯について書こうと思う。

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生理前に気分が落ち込むことが元々多かった。特に社会人になってからPMSの症状が酷くなった気がしていた。ストレスや不規則な食生活のせいだろうか?
そしてこのあいだ、仕事の繁忙期と生理前の辛い時期がたまたま重なった。毎日何時間も残業した。
生理前は夜眠れないときがある。なのに朝はだるくて起きられない。今回も疲れているはずなのに、一切眠れなくなってしまった。顔もニキビだらけになった。次から次へと新しいニキビができた。あと、生まれて初めて歯茎に口内炎ができた。どれもこれもだいたい生理が主な原因だろう。仕事のストレスもあるが。

ある日、上司に「死にそうな顔をしている」という理由で呼び出された。
「うるせえ!心配するなら定時で帰らせろ!バカヤロー!」という言葉が5回くらい喉まで出かけた。言えばよかった。
自分としてはそれでもまだ元気だと思っていた。
でも生徒にも心配されてしまい、考えを変えた。すれ違ったときに顔を覗き込みながら、「先生、大丈夫?」と言われてしまった。
さすがにとても反省した。
子どもにもわかるくらい酷い顔をしていたのだ。自分のやばさに気づけないやつが、生徒の異変に気づけるわけがない。
この仕事をもし今後も続けるなら、どんなときでもある程度自分の身体をコントロールできるようにならなくては、とそのときに思った。

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自分の身体はもちろん自分のものである。
その人の自由だ。タトゥーだって整形だって服装だって誰にいつ身体を許すかだって、決定権はその人自身にある。「あなただけの身体じゃないのよ!」「親からもらった大事な身体なのに!」という人もいるが、結局のところの決定権はその人にしかないのではないか、と思う。

私も自分で選んでピルを飲んだ。自分のために。眠れなくなって顔がニキビだらけになるくらいなら、だましだましやっていけたかもしれない。でも、自分が心配されてしまうようでは生徒に対して失礼だと思ったから。

ピルに対してまだあまり良くないイメージを持っている人は多いだろう。私も最初は「ピルかあ……」と思ったし、実際副作用はちょっとしんどかった。
でも、月3000円くらいの出費・副作用と、自分の仕事に対しての気持ちを天秤にかけたときに、仕事に対しての気持ちの方が大切だと思った。ただそれだけである。
私の場合はこちらが大切と自分が判断したいだけで、何かを天秤にかけてどちらが大切かと思うかはやはりその人自身が決めることなのであると私は思う。

さて、仕事の繁忙期も過ぎ、副作用で調子がよくないので、「これは迷惑をかけてしまうなあ」と思い調整して3連休を取った。
エッセイを書いたら気が紛れて、ちょっと元気になった気がする。
この調子で次の繁忙期までにはピルと仲良くなれているといいのだが。