ふられるために告白して、でも付き合って、やっと終わりにできたはず

4年と半年と少し。
長かったこの関係が終わって、私は、やっと次に進める、とほっとした。
出会いは高校3年。初めて同じクラスになった。
私の友達にふられた男の子。第一印象はそれだけ。
恋に発展するなんて思ってもみなかった。そんな相手じゃなかった。
私の20歳の誕生日。
彼と関係を持った。私にとって彼が初めての相手になった。
だけど友達のままでいられると思ってた。
タイプじゃなかったし、恋愛対象として見たこともなかったから。
「変わらないよね、私たち」
呑気にそう言ってた私を殴ってやりたい。
彼はあの時なんて返してきたんだっけ。
ハマったのは私の方だった。
遊んだ時にたまに、だったのが、むしろ体を重ねるために会うようになっていった。
自分にとって良くないことだとわかってた。
でも連絡するのを止められなかった。
それはまるでダイエット中のチョコレートのように。
夏の暑い日の炭酸ジュースのように。
ただ彼を求めていった。
でも彼は何も言わなかったし、拒まなかった。
こんなのどこが「友達」なんだ。
勝手にハマって勝手に苦しんだ私は、彼に告白してふられて終わらせようとした。
いいかげん、終わらせたかった。次に進みたかった。
「あなたが私をふったとしても、友達の関係は変わらないよ。だから大丈夫。ふっても平気だよ」
自分自身が一番大事な彼。この長い付き合いでそれは嫌というほどわかってた。
被害者意識が強くて好き嫌いが激しい、自分を守るのに必死な男。
だからふっても大丈夫なことを必死でアピールした。
むしろふってほしい。終わらせてほしい。「ごめん」その言葉だけを期待してた。
でも彼は告白を受け入れた。
そして私たちは4年の歪な期間を経て、「お付き合い」を始めることになった。
付き合うといっても遠距離だったので、会うのは何ヶ月かに1度。
クリスマスを少し過ぎた頃に会った。
ただ私が渡したかっただけだからネクタイを用意していた。
そしたら彼もプレゼントを用意してくれていた。
ブランド物の香水。
いい女の匂いがするー!なんて言ってはしゃいだ。彼は満足そうに笑ってた。
ままごとだ、こんなの。ただの恋人ごっこだ。
心はただただ冷えていた。
それから2ヶ月後。その間の連絡はほとんど無し。
もう自分でも何がしたかったのかわからなかった。
だから会った時に聞いた。
「この関係はどう?」
彼から返ってきたのはこんな答え。よく覚えている。
「シャチは結婚願望ないでしょ?でも俺は結婚したい。だからシャチは俺の足枷になるんだよね」
ここで私はやっと目が覚めた。
あぁ、やっぱりこの人は自分のことしか見えてないんだ。
告白されたから付き合ってやった、でもそれで俺は苦しんでるんだ、とでも思ってるんだ。
そして自分はなんて優しい男なんだ、とでも思ってるんだ。
あなたが思う優しさとやらは私にとって猛毒だったけど。
これで彼との関係は終わった。
4年と半年と少し。長かった。
彼からは毎年律儀に「誕生日おめでとう」とラインが来ている。
もうすぐ夏。彼と別れてから初めての私の誕生日が近づいている。
ラインの連絡先は削除した。ブロックじゃなくて削除。
今年も彼からのラインは来るのだろうか。
私は今、自分の誕生日を怯えながら待っている。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
恋愛やキャリアなど個人的な経験と、Metooやジェンダーなどの社会的関心が混ざり合ったエッセイやコラム、インタビューを配信しています。