いつもこの「かがみよかがみ」に寄稿する前に“ある人”に原稿を見てもらっている。
“ある人”とは元ライターで、現在は広告関係で働いているモナちゃん。大学のゼミの同級生だ。
そんな彼女は私にエッセイを書くきっかけを与えてくれたキーパーソンなのだ。

◎          ◎

2021年12月、私は“不思議な生活”を始めた。
この“不思議な生活”については家族と気心知れてる友人にしか話していない。
その月のラジオ収録後、モナちゃんとゼミの先輩と3人で女子会ランチをすることになった。
その際、2人に私の“不思議な生活”について話したのだ。
すると、モナちゃんは大学時代と変わらない炭酸飲料のような爽快な様子で「えー!何それ?面白いじゃん!リサちゃん、その生活についてエッセイ書きなよ!」と、全力でエールに近いアドバイスをくれた。

というのも、モナちゃんがライター時代の先輩に、元アイドルからライターを経て作家になられたAさんという方がおり、Aさん自身の“不思議な生活”を綴ったエッセイが書籍化されていたからだ。
そのことを例に挙げ、「Aさんの生活とリサちゃんの生活似てるからエッセイ書いてみれば?」ときっかけを与えてくれたのだ。

◎          ◎

女子会解散後、「文才がなくて本を読むのがニガテな私がエッセイを書けるのだろうか」と不安感と好奇心が入り乱れていた。
「スーパーイングリッシュランゲージハイスクール」という英語に主眼を置いた中高で過ごしたから(と言い訳したいのだが)、英語を勉強しすぎて、Google翻訳で訳した日本語のような文章しか書けなくなっていた私。
そんな私が誰もが読みやすいと感じる文章を書けるのだろうか、その時は全く想像もつかなかった。

いざパソコンに向かって“不思議な生活”について書き始めてみると、「これまでこんなに誰かに聞いてほしかった話が溜まっていたのか」と驚くほどスラスラと書けた。
時折表現に迷ったり話の進め方に迷うたび、Aさんのエッセイを読みつつ軌道修正。
そうしながら1か月ほどで現時点までの“不思議な生活”を書き上げた。

モナちゃんは仕事の合間を縫って私の長いエッセイを読みフィードバックをくれて、私はさらにブラッシュアップしていった。

◎          ◎

その後、「リサちゃんのエッセイみたいな“女性のライフスタイルを扱ってるサイト”に寄稿したらいいんじゃない?」と、モナちゃんから助言を受け、あらゆるライター募集や寄稿サイトを探していた。
その時にヒットしたのが、この「かがみよかがみ」だった。

「リサちゃんが感じる“違和感"がこのメディアならきっと刺さるんじゃない?」とモナちゃんからのGOサインも出た。
そこで「これなら書ける!」と思えたのが、私の誕生日である「バレンタインデーについて」のエッセイテーマ。

“不思議な生活”を書いた時のように「誰かが乗り移っているのではないか」と驚くほど、スラスラと書けた感覚は今でも覚えている。
そのエッセイ(「バレンタインは私の誕生日。私は主役で「もらう側」だと信じていた」)はモナちゃんのお墨付きを得て寄稿した末、無事掲載もされた。

エッセイテーマに沿ったものを書くたびに、私の考え方の「クセ」を見抜くモナちゃん。
「私の気持ちを誰か分かって!?」という前のめりなエッセイを受け取ると、「それはきっとこう思ったんだよね?」とリフレームしてくれる。
そうして怒りに飲まれてすり替わってしまっていた表現を正しい方向へと導いてくれる。

それを繰り返していくと私の凝り固まった考え方も昇華され、少しずつではあるがニュートラルで軽やかな文章が書けるようになってきた。
その都度モナちゃんは「読みやすくなった」「良い感じに余裕ができて人に見せるような文章になったね」と嬉しいフィードバックをくれる。

◎          ◎

文章を書くようになって自分の考え方が昇華でき、自分のことを少しずつ知るうちに「若いのに辛酸舐めながらしっかり這いつくばってここまできてエライじゃん」と過去を認められるようになり、自分を愛せるようになってきた。

きっかけを与えてくれたモナちゃんと二人三脚で、今日も私の言葉を紡いでいく。
ありがとう、モナちゃん。
これからもよろしくね、モナちゃん。