最近の私は、隙あらばファッション研究をしている。
「研究」というほど熱心であったり、マニアではないが、SNSやファッションアプリを通して毎日情報収集している。

外出先にアパレルショップがあれば、時間の許す限りウィンドウショッピングを楽しむ。
気になるアイテムはチェックし、トレンドやショップの特徴・個性をさりげなく分析する。
そして、家に帰るとチェックしたアイテムをファッションECサイトの「ほしいものリスト」に追加するのだ。

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普段服を買うショップは、プチプラからショッピングモールのショップまで幅広い。しかし、毎月服に費やせるお金は限られているため、ハイブランドは対象外だ。ちなみに、私の中でのハイブランドの定義は「白Tシャツが5000円を超えたら、確実にハイブランド」である。この定義をどう捉えるかは、このエッセイを読んでくださる方次第だ。

そして、ほしいものをいかに安く、あるいは、お得に買えるかを考える。クーポンやポイントを活用したり、あえてセールになるタイミングを狙って購入することもある。

一目惚れしてしまった場合は、例外だ。財布と慎重に相談し、「買えなかったら絶対に後悔する!」という結論に至ると、購入してしまう。その分、娯楽費など他の費用を削るのだ。

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今でこそ「ファッションが好きだ」と言えるが、地元にいた頃はファッションに対する興味や関心を隠していた。

どこから吹聴されたのかわからないが、「いい子や勉強のできる子はおしゃれをしてはいけない」という、今思えばおかしい先入観を持っていた。小学生だった当時の私は両者に該当し、加えて外見にコンプレックスを持っていたため、おしゃれすることを我慢していた。ジーンズを履きたくても作業着のようなナイロンズボンを選んでいたし、綺麗な色の服を着たくても、あえて地味色を選んでいた。

中学生の頃になると、人目を忍んで、隠れて中高生向けのファッション誌を読んでいた。
周囲から「意外」と思われたくなかったのだ。

大学に進学し、地元を離れてからは、閉じ込めていたファッションに対する関心を解放した。好きな服を選び、好きな服を買うようになった。今振り返ると、最初の頃は野暮ったい格好だったかもしれないが、自由に服を着る喜びを感じたのだ。

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「ハイブランドは購入の対象外」と前述したが、最近はハイブランドにも関心を持つようになった。海外のセレブが登場するような雑誌やWebサイトも読んでいる。

ハイブランドのアイテムがほしいという物欲はない。しかし、「モノ」ではなく、トレンドやブランドコンセプトなど、無形の「コト」に注目している。ハイブランドは長い歴史や伝統を踏襲する一方、斬新な新しいアイデアを取り入れることもある。これが後の伝統にも繋がるのだ。ファッション業界に新たな歴史を切り開く。これからどんな革新が起こるのか楽しみだ。

ファッション研究は、もはや無意識の習慣となった。
かつて地元にいた私が隠していた好奇心がようやく着火し、さらに好奇心が高まっていく。
最近は、環境やSDGsを取り入れたアイテムが気になるし、自分のご褒美の購入に足を運びたいブランドもできた。

この時間をこれからも大切にしたいし、邪魔されたくない。でも、もしファッション好きの人と出会ったら、意見交換をしてさらに情報を吸収したい。
自由なファッション。これが今の私のモットーの一つだ。

ただし、ファッションの関心が加熱しすぎて浪費癖がつかないよう、自分を律していかなければ。