特集:久しぶりに出会ったら

頭の片隅にあった簿記検定に挑戦して学んだ、確認と努力の大切さ

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新卒入社した先で経理課に配属になった。上司は、早々に簿記3級の受験を勧めてきた。
「経理として、簿記の知識を身につけてほしい」と願う上司の気持ちは分かる。だが、気が進まなかった。

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ある日、総務課の先輩社員が「私、簿記3級を今度、受験してみようと思うの」と話しかけてきた。経理課の先輩社員にも聞こえる声量で、皆の前で宣言してきたのだ。
「一緒にあなたも受けてみない?」と誘われた。興味本意と、私をやる気にさせるためだ。断る勇気はなく、簿記検定を受ける流れになった。
経理業務をし始めて半年。ルーティンワークには慣れたが、試験で問われて解答できる程の知識はなかった。

どうすれば合格に近づくのか。まず、通信講座や近場で専門のスクールがあるかを調べた。すると、簿記3級程度の知識を身に付けることが目的の、商工会議所主催の簿記の講習会の存在を知った。入社1年目に、3ヶ月に渡って毎週仕事帰りに講習を受講するのは、心身共にハードだった。だが、講義形式でプロから要点を学ぶことができた。
受講料を支払っているため、嫌でも簿記と向き合った。余談だが、この簿記の講習で隣の席だった方と、数年後にスポーツジムで再会を果たす。世間は狭く、不思議な縁だ。得るものは多かった。

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共に検定を受ける総務の人は「昨日は◯時間勉強したよ」「今日こそは勉強するから」と逐一、進捗状況を報告してきた。「私はやるときはやるけど、しないときはしないんよ。だから、やるときは誰かに宣言してるの」と言われた。うっとおしいと感じたが「私も頑張ろう」と奮起させてくれる存在でもあった

無事に検定を終え、結果が郵送されてきた。結果は、合格。ひとまず安心した。
翌日、会社で合格報告をした。「おめでとう」と祝福を受け、例の総務の人とは「合格した?私もだよ」と喜びを分かち合った。
のちに「私、100点だったの」とマウントを取られた。対する私は、ボーダーラインすれすれの合格。「どっちも合格なんだから、点数は関係ないよ」とすかさずフォローを入れられたが、満点合格という事実を突きつけられたため、なんだか複雑だった。

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5年が経ち、他部署の後輩が簿記に興味があったこと、転職に有利になることを踏まえ、簿記2級に挑戦することにした。田舎のため、2級向けの講習会が近場では開かれておらず、独学で勉強を始めた。

2級と3級では難易度や出題範囲が異なり、勉強に苦戦した。3級の復習から始まり、休日を中心にテキストを反復した。だが、試験3週間前、衝撃の事実に気付いた。
テキストを購入してからの5年間で、出題範囲の大幅な改定が行われていたのだ。しかも、大きく2回もだ。
慌てて、本屋に最新版の直前対策本を買いに走った。スマートフォンに簿記の無料アプリをダウンロードして、隙間時間に一問一答の問題演習をひたすら繰り返した。
試験の直前期は、焦りと合格したい気持ちが前面に出て必死だった。ついに体調を崩してしまい、試験3日前までは万全の状態ではなかった。試験勉強のプレッシャーも一因だろう。

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試験の結果は、不合格。最新の出題区分を事前に確認し、適切なテキストを選ぶ重要性を学んだ。長期に渡ってコツコツ勉強し続ける必要性も感じた。一方で、3ヶ月の短期集中型だったが、目標達成に向けて真剣に取り組んだ、自分自身を労いたい。

今後、簿記検定を再受験することはないが、他の分野で資格を取ることはあるかもしれない。今回の挑戦が「関心が薄い分野の試験勉強も、努力できたんだ。だから、次はできる」という自信にも繋がった。
久しぶりに「簿記を勉強しよう」「資格取得を目指そう」という気持ちに出会えた。きっかけをくれた後輩や、常に頭の片隅にいた「簿記」に再び向き合うことになった機会に、感謝したい。

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