心からありがとうを伝えたい人。
それは、長年競技自転車に本腰を入れ、活動している高校時代からの友人。

やりたいと思ったら動く。そう決めた私が見つけたもの

今年の1月から行った約半年間のハワイ留学を機に、私の中で今後の人生において大切にしていきたい価値観が徐々に変化していくのを感じた。
特に帰国後、私自身が一番違和感を感じたことは、やりたいことや抱く夢はあるのにも関わらず、行動に移すとなるとその人数が急激に減るということ。そんな周囲の友人達に違和感を抱いた私は、自分はやりたいと思ったら動くと心に決めた。

Instagramで見つけたモデル募集の広告。なんとなく流れた広告と「なりたい自分に」とのコピーに導かれ、今年の夏、モデルオーディションに参加することを決めた。
一次選考を通過し、迎えた二次選考。事務所に無所属の私にも、二人三脚でライブ配信を乗り切るため、マネージャーさんがついた。ここまで来てようやく私はことの重大さに気がつく。

私、モデルになるんだ……。

思い返せば、一次選考での質疑応答。編集部の方からの身長や学歴、モデル経験などの質問へはきちんと受け答えができた。
迎えた最終質問。何でモデルになりたいのですか?

やる気だけで挑戦した私が手にした「チャンス」

……。
頭が真っ白になった。今までやったことがない。私がモデル?面白そう。そんな思いつきとやる気だけで行動したオーディション。その質問でようやく、私が受けたのはモデルオーディションだったと気がつく。
一瞬の出来事であったが、その時の私には時が止まったような感覚になった。
今の私では受からない。
この気持ちが変わることのないまま、結局なぜモデルになりたいのかということにきちんと答えられないまま一次選考の面接が終わった。

ただ、私がブレずに伝えたことは1つ。
私は、新しいことに常に挑戦したい。
結果は、合格。意外だった。縁とはこういうものなのかと思った。このチャンスを掴んで逃さない。そう覚悟を決めた。

しかし、全てが初めての試みに何度も心が折れかけた。とりわけ、ライブ配信を始めるにあたり、執筆活動をしているのにも関わらず、言葉にすると拙くなってしまう自分の語彙力の未熟さに歯がゆい思いを何度もした。

自転車での旅で再確認した「自分の力で動くこと」

そんな最中、数日間帰省することになった私は、これまた思いつきで秘境に一人旅に出た。かつては行きたくても行くことができなかった1人での旅。ママチャリに乗り、30キロを走り切った時、私は生きてる!これが好き、そんな素直な気持ちを持てた。

その旅の途中、ここが自転車部である彼のかつての練習コースだったことを思い出し、何度も引き返そうと思ったけれど、この景色のために頑張ることができたと連絡を入れた。
そこで彼からもらった言葉。
「自分の力で遠くに行くことができる乗り物だからね」

当たり前。しかし、そんなことに便利な社会がゆえ、気がつかなかった。
自分の力で動く。それは乗り物に限ったことでない。便利な社会だからこそ、誰もが発信者になれる時代だからこそ、自分が常に動く必要がある。そんなことを友人から気付かされた。

だから伝えたい。
今、私がオーディションを頑張れているのは、右も左も分からず悩みながらも動いている今の自分を認めてくれた、そんなきっかけを与えてくれた自転車ひとつで世界を駆けまわるあなたのおかげです。
ありがとう。