あまり親しくない人から「趣味は?」と聞かれるたび、私は奥歯に物が挟まったような感じで(と感じているのは私だけかもしれないが)当たり障りのない趣味の話を選んでは、それについて話す。
と言うのも、現状私が最も日々の楽しみとしていることは、(新川由記としての物書きを除いては)「ポイ活」だからだ。
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ここで言う「ポイ活」とは、一般的に認識されているようなポイントを貯める活動だけでなく、電子クーポンの活用、株主優待取得も含む、「ちょっとした行動の積み重ねで、日々の生活をちょっとお得にしていく活動」全般と捉えてもらいたい。
私にとってポイ活とは、意識にのぼらない日はないと言ってもいいくらい意識している。いや、何なら毎日のルーティンの中にポイ活は完全に組み込まれている。
そうやって常に私の脳内に一定の空間を占める割には、一度に何千円、何万円と得することはほとんどなく、せいぜい一円、十円単位の積み重ねである。
その非効率性を理由にポイ活を否定する人が世の中に少なからずいることを知っているからこそ、隠しているつもりはなくても、大っぴらに「ポイ活が好き」とは口にしづらい。
確かにそういう考えは的を射ていると思うし、様々なことで忙しい現代人の多くは、端金の損得に構っている場合ではないことも理解できる。だから、おそらく世の中の多数派と思われる、ポイ活の良さをあまり知らない人たちから、「ケチくさい変人」と思われても仕方ない。
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それでも私は、この趣味とも呼べるポイ活を、時給換算だなんてしみったれたことはしたくないし、実際に得をした金額以上に、喜びや達成感を確かに得ている。
あと何日でどのポイント/クーポンが期限切れになるから、それまでにそれを使ってこれを買おう、と思考を巡らし、実際に行動に移す。私にとってこれは、クリアすることが楽しい、日常を彩るミッションみたいなものなのだ。
仮に私みたいな人が現実よりずっと多く存在したとしたら、おそらく私が今受けている恩恵は受けられなかっただろう。そういう意味でも、あまり親しくない人には、わざわざこちらからポイ活の魅力を伝えまくる必要はないのかもしれない。私以上にどっぷりと活用することが普通ではないからこそ、ちょっとした優越感みたいなものに浸れているというのもあるだろう。
もちろん、ポイ活のために余計な出費をするなどの本末転倒なことはしない。それなりに割に合うものか、ある程度選定したものだけの範囲でお得を享受し、私なりの「最小の労力で、最大の効果」を実現している。
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私のパートナーや親しい友人に限っては、こんな私の特徴を間近で頻繁に目にしているため、改めて「趣味は『ポイ活』です」なんて言わずとも、必然的にバレてしまっている。そして、それを尊重してくれている。パートナーに至っては、「お得ガール」という称号まで私に授けてくれた。
誰にも理解してもらえないことも承知で始めたポイ活ではあるが、今のところ、「わかる人だけわかってくれればいい」のスタンスは変わらずも、身近な人に受け入れてもらえる現実に満足している。
生きている限り、私たちは支出や消費と無縁になることはない。だからこそ、少しずつでもお得を積み重ねた私の方が、そうでない人よりも、人生トータルで見たらより少ない支出でより多くのものを楽しめることになる(それも、ほとんど誰も知らないところで)ことを私は知っている。
おそらくこれからも、細く長く、楽しみながら続けていくだろう。