物心ついた頃から私は洋服を選ぶのがとても好きで、楽しいと感じていた。
小さい頃は本当に好きなように服を着ていたし、それが楽しかった。お人形さんごっこも好きだったし、それこそ着せ替え人形がとても大好きだった。女の子らしいと言われるものたちが、本当に大好きでしかたがなかった。
だが、思春期にコンプレックスが増大したのだ。それは自分の容姿や服に対してのコンプレックスだ。
私の父親は厳しいと言われるタイプの性格に当てはまるのだが、「お前には女の子らしい服は似合わない、スカートを履くのはやめなさい」と、ある日突然言われたのだ。その後も制服以外でスカートを履くのはやめなさい、などと親戚の前や集まりで度々言われる機会があり、私はいつの間にかスカートを手に取るのをやめた。クローゼットの中からもスカートが消えたのだ。
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人前でスカートを履くことが恥ずかしくなっていき、もう二度とスカートを着る事は無いのだろうとどこかで思っていたのだが、環境が変われば人も変わる。また私は自由を手に入れた。本当はスカートを履いてはいけない理由なんて無い、それを知るのに数年かかってしまった。
きっかけは、私が地元を出て県外の専門学校へ進学し、1人暮らしをはじめてからだった。
当たり前なのだが、1人で生活をしているのだから、何をするのも自由、とやかく言われる事もない、好きな時に買い物にだっていけるし、好きな事をしていいんだ、とだんだん思えるようになった。
そこから私の中で何かが変わっていった。買い物に行って服を見る度に、どうせ私は1人なのだから何を着たっていいじゃないか、スカートを履いたっていいはず、とだんだんと選択肢にスカートを入れるようになっていったのだ。
そうなってからは、何かが解き放たれたようにまたスカートが大好きになった。なぜあの時はあんなにスカートを履くことが恥ずかしかったのか今となっては不思議なくらいだ。たった一言ではあるのだが、それ程までに思春期に言われた言葉は強烈に私の脳裏に残っているし、苦しめられていたんだな、と思った。
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でも、一度でもそのしがらみから抜け出せるキッカケができれば、また好きなように好きな服を着れるんだなと思えたし、自由な時間が私にまたスカートを履くキッカケと心の余裕をくれたんだなと思って、嬉しくなった。
それからは、堂々と胸をはってスカートを履くことができるようになって、たくさんのスカートやワンピースを買い、私のクローゼットを彩ってくれている。生活の中で更に洋服を選ぶことが楽しくなっていったのだ。これから先も私は好きなように好きな服を着て生きていけたら。そんなふうに過ごしていけたら幸せだなと心から思った。
スカートだけではなく、何を着るか、何を選ぶか自由に選択していいんだよ、なぜならたった一度の私の人生なのだから、私の着ている服に文句は言わせない、そう思ってこれから先も強く生きていたい。これからも自分の中の可愛いや好きを大事にして過ごしていきたいよ。それが私の今の夢。