大学生の自分は、目の前のことにとにかく必死だった。課題に、バイトに、サークルに。手の抜き方を知らなくて、でも何とかやってこれたのは今よりも少し若くて体力があった事と、将来への期待でモチベーションが保てていたからか。

その地続きで、新卒として働き始めた頃の私も、とにかく必死で、今振り返れば教えてあげたい事が沢山ある。
一番は、「何となく自分が頑張りすぎなくても、半分くらいは時間が解決してくれるものだよ」と。

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なんでみんな、会社で働き続けられるんだろう。素朴な疑問を胸にずっと働いていた。
営業成績で毎月怒られ、かと言って褒められると、翌年にその前年の数字が壁となって立ちはだかる。
そんなことを何年も何年も何故続けられるのだろう。
そんなふうに思いながら、私は割と真面目に、一生懸命に、仕事をただただ頑張ったら、新卒3年目にして体調を崩した。

今考えてみれば、私は全部自分で解決しようと頑張りすぎていたのだと思う。
体調を崩して私が休んだところで、問題なく仕事は進んだ。
なんだ、馬鹿みたいだ。あんなに頑張って、何だったんだろう。

体調を崩したきっかけも、今考えれば馬鹿みたいに些細なことで、私が至って真面目に働いていた一方で、上司が「私が手を抜いている」と言ったことだった。
周りの同僚は、私が手を抜いたりできない気難しい人間であることを知っていたし、そんなことで上司と揉めるわけにもいかず、庇ってくれる訳でもなかった。

ただ、私自身は上司に誤解されていることが悔しくて悲しくて、毎週会議で指摘されていくうちに、段々と体が動かなくなって、会社に行けなくなった。

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毎日100%、こんなに頑張っても、何でそんなふうに言われるんだろう。
すごく悩んだけど、きっと、みんな、一度や二度、もっとあるかもしれない。どうしようもない批判や、嫌味を受けること。

そういう時に必要なのは心の余裕で、100%頑張ってる人は耐えられない。
だから、自分が頑張るのはもっと僅かで良いのだと思う。自分を守るための心のスペースを確保して、あとは時間が解決してくれる。

実態がなくて難しいけど、時間に頼れば良い。
少しだけ時間に頼ってみると、誰かが心配して助け舟を出してくれたり、直前になって変更点が出たり、色んなことが起きて何となく上手くいったりする。
そして、100%自力で頑張ってると時間は、味方は減る。
自分が頑張りすぎると、手を抜く人も現れ始めるのだ。そういう悪循環も経験した。

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きっと、会社で働き続けるコツって、半分は時間の流れに身を任せること。
余裕を持って、先回りも程々に、目の前のことが少し空いたら休憩するくらいで丁度いい。
だから、毎日頑張るのは50%でいい。
あとの50%は時間という名の風化と他人の努力でどうにかなる。

だから、毎日50%くらいの気持ちで、実際は80%くらい頑張っちゃったりして、そうしたら今日も頑張ったなと自分を褒めて。そして、嫌がらせを受けても余裕を持って堂々とかわせば良いのだ。

仕事で使い果たさなかった50%くらいは好きなものを食べたり、好きな人に会ったり、楽しい時間に費やして。
そうやってきっと月日は経っていく。
会社で働き続けるのに必要なことはそういうことかもしれない。
もしかしたら、仕事で使わないエネルギーで勉強をして、ステップアップを目指すのも良いかもしれない。

これが私が社会に4年と半年くらい出て、気づいたこと。遅すぎるかな。
そして、頭では分かっているんだけど、また100%で頑張ってしまったりして、まだまだ私自身バランスが取れないのである。
早く時間を味方につけられるようになりたい。