今年の2月に約4年間勤務していた会社を退職した。
新卒で入社した会社は第一希望の職種で、勤務中は本当にたくさんのことを経験させてもらった。正直入社当初は、わたしはずっとこの会社で働いていくものだと思っていた。
ところが社会人3年目にコロナ禍になり、本当に世界が一変した。世界的にも、わたしの知っている自分の生活という世界も一変して、業務内容も変化し、ストレスも増え、結局は異動先の上司からのパワハラがとどめを刺して退職を決意した。入社した際には考えてもいなかった未来が現実になった。
退職して自分と向き合い、決意したこと
転職先を決めずに退職をしたため、自分が何をやりたいのか、考える必要があった。すぐには思いつかず、部屋でごろごろと携帯を見ているだけで終わる一日もたくさんあった。
なにしろ収入がない。安く抑えられる楽しみを考えるうちに、近所の図書館に足繁く通うようになった。
そういえば社会人になってからは読書量も減った。幼いころは本を読むことが好きで、小中学生の頃は放課後や休み時間に図書館に入り浸っていたほどだった。
ふと、幼少期を思い返したり、社会人生活を振り返ったり、今の自分の生活を見直したり、ひたすら自分と向き合う時間を過ごした。そして未知のウイルスが一変させた世界や、教科書の中の話と思っていた戦争が起こるいま、「自分のやりたいと思えることはやれるうちにやろう」と決意した。
再び大学生に。自分の「好き」を軸にして取り戻した生活
いま、わたしは図書館司書の資格取得のために通信課程で大学生をしている。
大学生再デビュー。こんな未来があるなんて思わなかった。けれど、とても楽しい。
退職前の半年間はストレスで毎日眠れず、酒を飲んで無理やりに寝て、会社に行っても怯えてばかりでミスも重ね、いつの間にか同僚から「大丈夫?」と声を掛けられるようになった。いま思えば自分の心に感情などなかった。ただ「大丈夫?」と聞かれれば「大丈夫」と答えなければいけないものだと思っていた。
自分の意思なんてそこには全くなかった。入社した当初にはそんな未来があるなんて思いもしていなかった。
再度学生になったことで、3月からのお休み期間は思いがけず来年の3月までの1年間という長期間になった。
自分の意思で勉強をする時間も、好きなことをするためにバイトをしてお金を稼ぐことも、たまの贅沢でおいしいごはんを食べに出かけることも、自分の「好き」を軸にして自分をたくさん甘やかすようになったら、いつの間にか自然とぐっすり眠れるようにもなった。
「お休み」の期間に私は成長できている
27歳、一人暮らし、学生兼フリーター。きっと「まともに働いていない人間」と一括りにする人もいるのだろうなと思う。
でも、社会人になったばかりのころには想像できなかった「1年間のお休み期間」という未来が現実になって、たくさんの感情を知ってたくさんの自分を知れた。不安も生活の苦しさも知って、私はこのお休み期間にまた成長できていると確信している。
性別や年齢、風貌などをもとに既知のテンプレートにあてはめようとする世間なんてどうでもいい、と思えたことが、今のところこのお休み期間で得た一番の収穫だ。
来年3月までのお休み期間、やりたいことリストをいくつ消化できるだろう。わくわくできる自分を取り戻すことが、わたしのお休みに必要なことなのかもしれない。