恥ずかしながら、私は恋愛経験がない。
端的に言うと、興味がない。
私の人生の中で、恋愛の優先順位は低い。
聞く人によっては強がりに聞こえるらしい。
ただ、そんな私だけど、好きになった人はいる。
◎ ◎
初恋は中2。同じクラスのAだ。
厳密には、1年生の終わり頃から気になっていた。
それまで存在も知らなかったが、Aの隣のクラスだった友達が、「Aっていう人、知ってる?」と唐突に言ってきたことで知った。
その時は「そんな人いたんだ、へー」くらいにしか思ってなかったが、気がついたら好きになっていた。
きっかけは特に思い出せない。新学期になり、同じクラス、そして同じ班になったことが引き金になったのかもしれない。
と言っても、極度の人見知りと自己肯定感の無さから、ほぼ喋ったことはなかったけど。
夏休みが終わり、またみんな学校に集まった。
するとそこでAが失恋していたことを知った。
同じクラスの、小さくて可愛くてユーモアのある子と付き合って、なぜかすぐ振られたらしい。
Aらしくなく、落ち込んでいた。
Aは面白い奴で、私の笑いのツボを突いてくる言動が多かった。
だから好きだったのかもしれない。
そんな奴だから、落ち込んでいるのが珍しかった。
彼女は「元々好きじゃないけど告られたからなんとなく付き合ったが、やっぱりなにか違う」というなんともクールな理由で振ったらしい。
私は、その現状に少し動揺した。
したにはしたが、どこか他人事だった。
「あぁ、なんて憐れなA。あんなに落ち込んで……」と、どこかその状況を俯瞰していた。
◎ ◎
次に恋をしたのは高2の時。
これもまた同じように、「ねぇ、Bさんって知ってる?」と友達に聞かれた。
知らなかったが、その時に知った。
Bさんはどこか掴み所がなく、その出で立ちはとても魅力的だった。
目立つタイプじゃないけど、とても目につく。
Bさんのことも気がついたら好きになっていた。
Aに対してなぜB“さん”なのかというと、どちらも同級生ではあるのだが、BさんはBさんなのだ。どうか伝わってほしい。
当時の私は高校が億劫で、辞めようかとも思っていた。
でも好きな人ができた。その人に会いに行くために学校へ通った。
HR開始ギリギリで登校してくることを知って、私もギリギリに着くようにした。
特に話などはしなかった。見かけるだけでよかった。
ある時、Bさんに彼女ができたという報せが耳に入った。
彼女の座を射止めたのは、私にBさんの存在を教えてくれた子だった。
Bさんはいろんな女子に好意を寄せられていた。
「うわ~、あの子もBさんが好きなんだ……やだな……」と勝手に査定していた私。
そんな中で選んだのがその彼女だったので、私は「Bさん、さすがです……!!!見る目がある!」と、またどこか他人事。
◎ ◎
最近たまたま観たドラマのセリフがとても響いた。
以下原文ままというよりニュアンスで書いている。
- 俺があなたを愛しているとして、あなたになんの関係がある?(元はゲーテの、私が君を愛しても君の知ったことではない)
- 恋心を相手にぶつけるのは別
- 恋する気持ちは誰にも否定されるべきではない
- 相手を巻き込まない、オモテにも出さない、そういう恋もあるよなぁ
- 40代にして真のプラトニックな恋愛を知る(ゲーテの言葉)
- 大人になってからわかることがこんなにあるなんて若い頃は思ってなかった
中2のときも高2のときも、好きな人と付き合いたいとは思わなかった。
恋に恋していたのかもしれない。
心に響いたセリフほど、大人じゃないかもしれない。
でも、まさしくこれだと思った。
10代にして、40代で得る恋愛観を持っていたのかは不明だ。
友人からは「なんで恋愛しないの?」と20代前半の頃はよく言われた。
最近は、時代の変化も相まって言われなくなった。
諦められているのかもしれないが……。
私の人生の中で、恋愛の優先順位は低い。
10代の頃のただの片思いから学んだことだ。
昔から推しがいたし、休みの日は睡眠に時間を割いた。部活をしていたときは、部活のことで頭がいっぱいだった。
恋愛に生きる人もいれば、そうでない人もいるのだ。
ただし、恋のチカラは偉大である。
なんてことは私よりも皆様の方がお詳しいことでしょう。