11月2日。
年を重ねるのは少々嫌だなと年々思うようになってきたものの、私が主役で必ずお祝いされる唯一の記念日。そう、誕生日だ。
翌日に祝日である文化の日があるので、前日が土日だったりすると連休で唯一の平日にもなるので大体の人にはスルーされがちなのだが、親友や家族、そして大好きな岩手にいる祖母からはメッセージやプレゼントが来るし、両親に至っては私が実家に帰ってきてからの話ではあるものの、父が大学生時代からの行きつけであるレストランとケーキ屋さんに誕生日祝いで連れて行ってくれるから、私にとってはとても嬉しい日であるのだ。

今までの誕生日でも誰かからお祝いされる度に感極まって泣いてしまう私ではあったが、その中でも忘れられない誕生日の思い出がある。
それは今から3年前の誕生日、まだ前職で山口県にいたときの話だ。

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今思えばサプライズ準備のためかもしれないが、閉店後の帰る前に支店長から理不尽な理由で外に作業しに行くように言われ、指示された作業が終わってからすごく「今日私、誕生日なのにな……」と泣きたくなりながら商談ルームでパソコン作業をしていたときに、突然事務所に通ずるドアが開いて、大きなぬいぐるみとそれを抱いたスタッフ、そしてそのスタッフが座っている椅子を押しながら支店長が現れて、「誕生日おめでとう!!!!」と言ってくれたのだ。
それを皮切りに他のスタッフもお祝いしに商談ルームに集まってくれて、ただでさえ泣きそうだった私、感極まってその場で号泣してしまったのだ。

私自身、ここまで大々的にバースデーサプライズをしてもらったことがあまりなく、事務所から支店長とプレゼントを抱えた後輩スタッフが出てきた時には驚いたのはもちろんのことだが、事態を理解して涙が止まらなくなったのである。
そしてそのぬいぐるみと同時にもらったみんなからの寄せ書きメッセージカードには、書いたメンバーらしいメッセージが集まってて、余計涙を誘ったのは言うまでもない。

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その翌年以降は山口県の店舗から岐阜に異動したり、病気による休退職をしたりでそこまで大々的なお祝いをしてもらうことはなくなったが、毎年全国から寄せられる友人たちからのメッセージは嬉しいものばかりである。

過去27回の私だけの記念日も、毎年違ったドラマがあり、いろんな場所で嬉しく、かつ楽しい時間を過ごしてきた。
妹から手作りの写真ボードをもらったり、前述のように職場からバースデーカードをもらったり、友達からアクセサリーをもらったり……。10年近く経った今でも大事に使っていたり飾っていたりと、誕生日に誰かからもらったプレゼントは私にとって宝物だ。

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今年もあと数週間もすれば28回目の私だけの記念日がやってくる。
30歳までのあと2年とカウントダウンが始まるな〜と思ってしまうことも、恐らくその日が仕事であるな〜と予測がついてしまう自分に嫌気が差してしまうが、でもやはり11月2日は私にとって大事な日であり、私が唯一主役で祝ってもらえることに変わりない訳だから、今年の11月2日はどんな1日になるのかが楽しみだ。

今年の私だけの記念日も、素敵な1日になりますように。
私の願いはただそれだけ。