結婚を見据えて真剣に付き合っていた大好きだった彼と別れてから、約3ヶ月が経過した。
もう二度と自分がこんな振る舞いをしないように、もう二度と自分がこんな思いをしないように、自分のために戒めとして書こうと思う。

◎          ◎

約3ヶ月前の今頃、彼と別れた日は1年記念日の1週間前で、別れたその日はずっと前から作っていた彼との旅先や日常の写真をコラージュした手作りのアルバムも、彼に渡そうと前々から準備していたプレゼントも泣きながら全部捨てた。

付き合っていた頃はいつも21時から24時までを彼との通話など、彼のために時間を作っていたから、別れた直後は自分が何をすればいいのか毎日分からなかった。それくらい彼が私の生活に溶けこんでいたんだと思う。

自分で決めたことなのに、別れた彼はもう切り替えて前に進んでいるだろうに、これで良かったんだと強く思う日もあれば、これで良かったんだろうかと涙を流す日もあって、別れてからしばらくは感情がジェットコースターのようだった。
こんな私の浮き沈みの激しい感情のせいで、周りの大切な家族や友達には本当にたくさん迷惑をかけてしまった。

◎          ◎

彼と別れて時間が経った今、当時の自分を振り返ると、その時も家族や友達にはたくさん心配や迷惑をかけてしまったな、とすごく反省している。
私は彼と付き合っていた頃、彼のことが本当に大好きで、毎日すごく楽しかった。
だけど、私だけが大好きと言ってくれた彼と、彼が一番大好きだけど違うベクトルで家族や友達も大好きな私が居て、当時の私はそんな自分がものすごく苦しかった。

親友と久々に仕事終わりに食事をした日。1ヶ月以上前から約束していて、私も彼女もその日をずっと前からすごく楽しみにしていた。
彼には行き先や誰と会うかを事前に伝えていたものの、彼女と食事をしながら談笑していると「もう帰って来た?」と彼からLINEがきた。

まだ外出先だし、久々の再会だから、もっと聞きたいことも話したいこともたくさんある。
だけど、彼から心配してくれるLINEも入る。どうしよう……。
以前はほとんどスマホを見ていなかった私がこまめにスマホを見て操作していたから、親友が「もしかして彼氏さん?心配してるんじゃない?私のことは大丈夫だからそろそろ帰ろうか!」と声をかけてくれた。

彼にまた帰る時は私から連絡する、と返事すれば良かったのだと今なら思うけど、当時の私は自分の振る舞いで彼を不安にさせたトラウマがあり、彼に嫌われるのが怖くて、結局いつの間にか親友である彼女に気を遣わせて迷惑をかけてしまっていた。

◎          ◎

母と買い物に行った時も、彼を心配させるから早く帰宅するために時間を気にしてしまって、楽しそうに買い物していた母を急かしてしまったり、妹が家に遊びに来てくれた時もスマホばかり気にしてしまって妹に気を遣わせてしまったり、時には友達からDVを疑われたり本気で心配されたこともあった。

大好きな彼と、大切な家族や友達との板挟みになる状況がしばらく続いて、いつもそわそわしていて目の前のことがいつの間にか全然楽しめなくなっていた。
迷惑かけるくらいなら家族とも友達とも会わなきゃいいじゃん、と思われても仕方ないけど、私にとってはそんな私のことをいつも誘ってくれる家族との時間も、友達との時間もどれも大切で大好きだったから失いたくなかった。私が欲張りだったのだろうか。

自分が好きなアーティストも彼に快く思われていなかったから、スマホでこっそり見ていたらそれを浮気だと彼に疑われてしまったこともあり、だんだん好きなアーティストをテレビやスマホで見ることも無くなっていった。

彼のことも、家族のことも、友達のことも、大好きなのに、私のみんな大切にしようと頑張る行動が全部裏目に出て、彼の顔色は窺うのに彼のことも不安にさせて、家族や友達のことも振り回してたくさん心配と迷惑をかけてしまった。
彼のことは大好きなのに、いつも彼の顔色を窺っていつの間にか関係性も変わってしまって、私の大好きな人たちを不快にさせて、自分の好きなものまで遠ざけて好きになれなくなってしまった自分のことは大嫌いだった。

◎          ◎

彼と別れたことを報告し、これまでの私の振る舞いを謝罪した後、散々迷惑と心配をかけたのに家族も友達も、温かく私のことを受け入れてくれた。
家族が「いつだって味方だよ」と言ってくれたこと、親友が「ここ最近はもぴを取られて寂しかったから、その分たくさん会ってもらわなくちゃ!」と笑わせてくれたこと、本当に心が救われた気がした。

好きな人といる時の自分のことが本当に好きか?
彼や家族、友達、そして自分のことを傷つけてしまった今回の経験で、ありのままの自分でいることが大切だと思ったし、それが一番大切な人たちを傷つけないということを学んだ。彼に嫌われるのが怖くて、いつも彼の顔色を窺っていた私は彼のことは好きなのに、彼と付き合っている自分のことは好きになれなかった。彼と出会えたからこのことも学ぶことが出来た。

◎          ◎

彼とは別れてしまったけれど、彼と過ごして幸せだと思う日もたくさんあった。
一緒にイルミネーションを観に行ったり、家で利きビール対決をしたり、潮干狩りをしたり、楽しい思い出もたくさんある。彼のおかげでゲームとは無縁の私だったけど、知らなかった世界をたくさん知ることも出来た。

私の手料理も本当は野菜より肉が好きなのにいつも「おいしい」と言って完食してくれたし、いつだって「ありがとう」の言葉は欠かさない優しい人だった。
ホワイトデーに作ってくれた手作りのマカロンも私の誕生日のお祝いで作ってくれたパエリアもお店みたいに美味しかったし、確かにあの時の私はすごく幸せだったなと本当に思う。彼と出会えて、彼の彼女として約1年間、一緒に過ごすことが出来て本当に良かった。

時にはうじうじしたくなる時もあるだろうけど、その時はこのエッセイを読んで気持ちを切り替えていきたい。私の周りにはいつも支えてくれる彼女や家族、友達と味方がたくさんいてくれるからこれからは自分らしく生きていけると思う。
きっと彼も幸せに過ごしているだろうし、私も負けないように今回の経験で学んだことを糧に“ありのままの私”で前に進んでいきたいと思う。