最近話題の円安。
毎日のように話題になっているので、なにか日本にとってよくないことが起きているのはわかる…けど実際どういうことが起きているのかはわかっていない…という人も多いのではないでしょうか。
毎日ニュースになっているくらい、円安・円高という状況は、国としての大きな視点から、私たちの買い物的な視点まで、いろいろなことに関係しています。
まず前回お話しした「インフレ・デフレ」が日本の中でのお金の価値を表していたのに対し、「円安・円高」というのは海外のお金と日本円の間で、相対的にどちらの価値が高いか低いかを表しています。
今のニュースを見ていると「円安=悪」と感じてしまう方が多いかもしれませんが、円安・円高、それぞれにメリット・デメリットがあります。今、これだけ「円安がやばい」と言われているのは、「円安」そのものではなく、急激に・過度に進んでしまっていることが問題なのです。
円安や円高というのは日々変動しているため、多少前後するのはいたって普通のこと。しかし、今年1月には1ドル約110円台だったのが、今や1ドル約140円台とどんどん金額があがって円安が加速しているのが今。ゆるやかに変動しているのであれば少しずつ対応をしていくことができますが、急に上昇をしてしまうとその金額の差に対応するのはとても大変です。
また、過去最高の円高は2011年の約75円でしたから、その時からしたら約2倍も金額が変わっていることになります。
では、円安・円高の仕組みを改めて解説し、メリット・デメリットについても見ていきましょう。
1ドル=100円→200円になるのが円安。日本の商品を海外で安く売ることができる
具体例でお話ししていきましょう。
みなさんは1ドルを持っています。買いたいのは、日本で売っている100円のリップ。「1ドル=100円」であれば、ちょうど1本リップが買えるとします。
レートが変更となり、1ドル200円となったとしましょう。1ドルを両替したら200円になり、100円のリップを2本買うことができます。
1ドル=100円だった時に比べ、1ドル200円になることで、両替する際に必要な金額がどんどん上がっていく。つまり、1ドルの価値が上がって、円の価値が下がっている状態。これが今の円安の状況です。ドルを持っている人からしたら、日本円での買い物はすごくお得ですよね。
また、日本の商品を安く売ることができるので、海外へ輸出をしているような企業は商品がよく売れるようになります。しかし、輸出しているものが安いからとたくさん買ってもらえるようになっても、過度な円安が長く続くと日本の商品の買いたたきのような状態が続いてしまい、入ってくる利益もずっと少なくなってしまう…という側面もあります。
一方で、海外から輸入している会社は買うために多くの資金が必要となるため、日本国内で商品を売る際などに値上げせざるを得なくなってしまいます。まさに今の日本の状態ですね。
1ドル=100円→50円になるのが円高。日本人が海外旅行に行くとお得!
次に円高の説明です。今度はドルのレートが1ドル50円となったとしましょう。欲しいリップは100円なので、1ドルを持っていても買うことができません。1ドル=100円から1ドル=50円になることで、より少ない日本円で多くのドルを手に入れることができますね。これが円の価値が高く、ドルの価値が下がっている円高の状態です。
円高の時は、海外からの輸入品はより少ない円で安く買うことができるのですが、一方で日本の商品を海外に売るには値段が高くなり、日本の商品が売れづらくなってしまいます。
私たち日本人が海外旅行へいったときにお得なのは円高の時です。さきほどお話ししたように、より少ない円で多くの外貨が手に入るので、旅行自体も安くいけるし、海外で買い物をするのもお得。
今は逆に海外の方が日本に来るのがお得な状態。ここ数年はコロナ禍もあり観光産業が落ち込んでいましたが、円安だからこそ海外の方がたくさんくるようになり、利益が増える企業もあるはずですよね。
円安・円高、自分の職場や生活にはどう影響しているだろう?
最近も本当に毎日のように1ドル〇〇円というのが話題になっていたり、為替レートは日々変化しています。
円安にも円高にも、それぞれメリット、デメリットがあります。こちらも先日のインフレ・デフレと同じで、私たち一人の行動では、なかなか変えることができないことです。ですが円安・円高によって、たとえば自分の働いている職場はどのような影響があるかや、普段自分が買っている商品は金額が変わっていくかなど、どう生活に関係しているかは気にしておいて損はありません。
円安がどんどん進んでいる今、ぜひみなさんも一緒に動向をチェックしていきましょう。