私がお休みを経て、自分の心を取り戻した時の話。

社会人3年目も終盤に入ったとき、休職することになった。
今まで仕事のストレスを放っていたツケがが回ってきて、私は心身ともに疲れていた。
ふいに訪れる体の痛み、耳鳴り、湿疹。
そうした症状の末、産業医から勧められて私はお休みに入った。

起き上がることも苦痛だった状態から、元気を取り戻すまで

軽いうつ状態になっていた私は、実家に久しぶりに戻った。
最初は起き上がることもままならず、外出も長時間はできなかった。
4か月間、私は実家でお休みをした。
最初は仕事のことで頭がいっぱいだったが、ただ何もせずにぼーっと過ごして、思う存分に寝て、のんびりと過ごすうちに心が徐々に「好き」を求めだした。
ただ何もしない状態から、好きな本をたくさん読んだり、絵をかいて過ごすようになった。
そのうち外にも出られるようになってきて、見慣れた風景をのんびりと歩いたり、お気に入りの本屋で思う存分時間を過ごしたり、久しぶりに泳ぎにも行ったりした。
家族とよく話すようにもなった。
博物館や美術館にも訪れるようになった。

そうして私の心はみるみるうちに栄養を蓄え、むくむくと元気を取り戻した。
一度カラカラに乾いた心が何かを吸収するように、好きなものをたくさん摂取して、そうして私は元気になった。

何もしたくない。自分が好きだったことが思い出せなかった

休職した当初は、自分が好きだったことが思い出せない状況だった。
私は何に今までときめいて、何をするのが好きだったんだっけ。
何をしている時が楽しくて、何のためにお金を稼いでいたんだっけ。
その時は心が空っぽの状態なんだと思っていたけれど、今思うと違う。
あれは空っぽだったんじゃなくて、好きなことが入る余地ないくらいに不安や焦りで充満していたのだ。

心が一度むくむくと不安でいっぱいになってしまうと、どうすれば生き生きとした状態に戻せるのかが分からなくなる。
今まで好きだったことを好きだとも思えず、億劫で、何もしたくない。
これまで好きだったことも思い出せず、新しい刺激も欲しくなくなる。

そうした状態で入ったお休み期間で心が元気を取り戻すと、何をすれば満たされるのかが自ずと分かるようになった。
あとは心のままにやりたいことに従っていくと、いつの間にか元気を取り戻していた。

心が一度空っぽになり、好きなことを存分に吸収できた

つまりまとめると、私の心は、不安で充足し好きなことが考えられない状態から、お休み期間を通して一度空っぽになり、空っぽになることで余白ができ、その余白が好きなことを思う存分吸収して元気になった。

今何かでストレスを抱えていたり、疲れて楽しいことがないという方には是非お休みをとってほしい。
周りへの迷惑とか、そういうのもういいよ。一度休もう。
そして周りに休みたくても休めない人がいるならば、是非お休みを勧めてあげてほしい。
私はあのお休み期間がなければ、心を充電して、また動き出すことはおそらくできなかったと思う。
こうして、私の心はお休み期間を通して本来の状態を取り戻したのでした。

以上、心を空っぽにするお休みは大切だというお話でした。