去年の春、転職をした。パートナーの転職による同業同職種での転職。
この転職がきっかけで、私のお休みはガラッと変わった。

新しい職場での生活。同じ仕事だから、同じ生活が待っていると思っていた。でもまったくそんなことはなくて、ちがうことばかり。
前職は、「その仕事ってなにするの?」「聞いたことない」と言われる状態からの一人きりでのスタート。現職は「ああ、いつもお世話になってます」と言ってもらえる状態での四人体制。
転職前は、今よりも気が楽になりそうだとすら思っていた。はたから見ても、そう思える環境だったと思う。やることもさほど多くなくて必死に増やす必要もなく、定時に帰れる。

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それなのに、私はその状態がすごく苦しかった。
逆境を抜けるために日々挑戦する手ごたえ。自分の頑張りがどう成果につながっているのか見えるスリル。私はその手応えとスリルが大好きだったのだ。
自分でも全く知らなかった。転職する前は「もっと落ち着きたい」なんて思っていたのに。
挑戦の手ごたえとスリル、どちらも失った私は毎日がつまらなく感じて、ついには「なんのために生きてるんだろう」とまで思うように。限界だった。

でも当時の私には、さらなる転職の選択肢もさほど多くなかった。低い学歴、今の仕事しかない経験。苦しいのに、それをどうにかする力もないのが悔しかった。
選択肢を増やすため、そして挑戦している手ごたえを感じるために、休みの日に勉強をはじめた。
キャリアスクールに入会し、とにかく毎日新しいことに挑戦する。趣味で文章を書いていたので、ライティングを勉強し始めた。自分の市場価値を上げるためにスキルも磨いた。少し前までは、昼頃にベッドから起きてだらだらとテレビとスマホを眺めてちょっと家事をして終わっていた休日が、せっせと勉強をする休日に変わった。お休みが充実しただけで、私はみるみる元気になった。

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一般的に「元気を取り戻す」ための方法は「ゆっくり休む」と思われがちだ。「大変だったね、ゆっくり休んでね」という声掛けはよく耳にするし、私自身も休めば元気が出ると信じていた。
今なら分かる。
お休みは何もしないことや負担を減らすことじゃない。心の栄養になる行動をたくさんすることが、お休みなんだって。
私にとっての「元気が出るお休み」は、新しいことに挑戦して、自分の頑張りの成果が見えること。一見休んでないように見えるけど、何もない方が苦しい。

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転職をして分かった、私にとって大事なこと。
それは「落ち着かないこと」。世間ではアラサーになると落ち着いてくるなんて言うけれど、私は「落ち着かない」のが元気の源だ。
今の目標は、休みの日にしている勉強を仕事にすること。そうすれば、1日8時間以上の仕事時間が元気の出る時間に変わりそうだ。

退屈な日々が苦しかった私は、「元気の出る私だけのお休み」を見つけた。