2022年も早いものであと2ヶ月くらいとなった。
今年、まだ終わってはいないが、今までを振り返るとある意味、嵐のような毎日を過ごしてきたと思う。
昨年11月に前職である中古車関係の企業を病気のために退職し、次の仕事を探さないといけないという所から始まり、今年に入ってからも仕事が見つからず、日雇いバイトをしながら正規のアルバイトを探していた。

結果的に1月終わりに現職の書店に採用をいただき、2月の上旬から仕事をすることが出来たのだが、働き始めてすぐに体調を崩してしまい、まさかの新型コロナウイルス感染の疑惑が浮上してしまった。実際のところ、恐らく過労による体調不良だったのでPCR検査も陰性だったけれども、約1ヶ月の勤務休業を経て復帰したときには改めて働けることの感謝の気持ちを感じた1ヶ月だった。

そこからはごくまれに体調を崩して休んでしまったことはあったけれど、遅番の要となるように信頼を得ていくべく仕事を自分なりに頑張った。店舗内でコンペ的なイベントがあれば凡事徹底と思い、ほぼ100%といっていいほどお客様にキャンペーンのお声がけをした。その結果、実際に任せていただくことで実績を残して最終的にぶっちぎりの1位になるなど、職場内からもお客様からも信頼を得られるように心がけて仕事に励んできた。

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そんな私があと2ヶ月でラストスパートをかけたいのは、やはり現職の書店でのおもてなし精神の発揮である。会社のコンセプトが「日常的エンターテイメント」と掲げている以上、そのコンセプトに見合った接客、いやおもてなしをしていきたいのだ。

例えば私の担当であるレジカウンターでは、会計時のおよそ2〜3分の間に「雨なので気をつけて帰ってくださいね」とか、「たくさん買って頂いているので輪ゴムで商品をおまとめしておきますね」など、別に言わなくても良いのかもしれないけれど、あえてお客様にお知らせすることで気遣いの心を表してみる。
また、常連の方で顔を憶えている方には「いつもありがとうございます!」「お久しぶりですね、お変わりありませんか?」など、親しみこめたご挨拶を入れてみたりと、お客様に合わせたプラスワンのお声がけを実際に行なっている。

業務上では効率を重視しないといけないため、なかなか長めのプラスワンのお声がけということは難しい部分もあるが、金銭授受の合間やお品物をお渡しするまでの間に短めの一言を入れるだけでお客様からの反応も全然違うな、ということを感じた。

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こういったことを自ら心がけていった結果、お客様が私を憶えてくださり、レジカウンターに私が居たら私のカウンターにわざわざ順番を調整して会いにきてくださったり、業務中で直接対応することが難しいとお客様が悟ったときには「加須野さん来たよ!」と一言お声がけくださるまでになった。
私としてはただ当たり前の業務をこなし、その間にお客様が安心して私に任せて貰えるように自分から名乗ったり、前述のプラスワンの気遣いをしているまでだが、その心遣いによって私自身は勿論のこと、店舗のリピーター客がどんどん増えていくのだということを身を持って実感した。

今年の年の瀬まであと2ヶ月くらい。現職でのアルバイトで今よりもっと業務スピードを速めることもさることながら、今まで培ってきたおもてなし精神はより洗練させて、「この書店に夜行くと加須野さんという丁寧なスタッフがいるらしいよ」とウワサが流れるような名物スタッフになってみたいと密かに思っている。
そのためには体調管理や業務の効率化など自分の課題は山のようにあるが、残りの約2ヶ月でこれらの課題を少しでもクリアして、最高のおもてなしができる店舗スタッフになりたい。