私は、毎年1月にある決めごとをしている。
それは「やりたいことリスト100」を作成することだ。その年にやってみたいことを100個あげてリスト化している。
案外これが大変な作業なのだが、年末の楽しみのために、年の始まりには少し気合いを入れて作成している。

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ここでポイントなのは、「やることリスト」ではなく「やりたいことリスト」であること。
やりたいことの中には「イチゴを食べたい」という些細なことから「自分の文章で賞を取りたい」という夢のようなものまで、なんでも詰め込んでいる。
10月が終わり、今年もあと2カ月というタイミングで、私は改めて今年の初めに作成した「やりたいことリスト」を机の奥から引っ張り出してみてみた。そうして、今年達成できたことを1つずつチェックしていく。すると、驚くことがわかった。
今年の初めに「できたらいいな」と思っていた夢のようなことが、案外叶っていたということがわかったのだ。
例えば「自分の文章で賞を取ること」また「新しい友人と出会うこと」などだ。後者については、簡単にできるという人も少なくないかもしれない。けれど、学校を卒業したあたりから、新しい友人と出会う難しさを痛感していたのだ。それなのに、今年は2人も新しい友人と出会っている。まるで奇跡のようだと思う。

一方で、もう少し簡単にできそうなことでしていないことがあることもわかった。「部屋の模様替えをしたい」や「お気に入りの映画を見つけたい」などだ。
でも、ここで焦ることはない。これはあくまで「やりたいことリスト」であって「やることリスト」ではないからだ。達成できなくたって、何も悪いことはない。ただ、今年あと2カ月の間で、もしかすると特別なタイミングがあり、模様替えをしたり、お気に入りの映画に出会ったりするのかもしれない。

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そうして、私は12月末に再び机の奥からこのリストを引っ張り出して、2022年を振り返るのだろう。そうして、様々な出会いや奇跡、タイミングに感謝をするに違いない。ポストカード3枚分のやりたいことリストを胸に抱えて、大きく息を吸って、そうして今年をゆっくりと締めくくる予定だ。
それから、2023年を無事に迎えることができたら、私は改めて「やりたいことリスト100」を作るために机に向かうのだろう。正直、100個も欲を挙げるのは少々大変なのだが、それでもついやってしまうのは、きっとこの年末の楽しみを知っているからかもしれない。