私が今の仕事をしているのはただ一つ、「夢」を叶えたいからだ。
夢のことは度々エッセイでも綴ってはいるが、私は大学生の頃から「旅行」を通して地域と人を繋ぎ、より日本の良さを知ってもらう。そんな繋ぐ人になるのが私の大きな夢であり、絶対に達成したいことである。

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とはいえ、現実はそうはいかないのが人生である。
大学卒業して観光業界に就職した。旅行好きな自分の観点から様々な企業とお話をするうちにもっと誘客につながるように提案していきたい!という思いが強かった。
そう、過去形なのだ。
結論から言うと経験が積めなかった。
これを書くと、「それはあなたが努力しなかったからでしょ?」と思うのであろう。
うん。そう思うあなたは大正解。
今の仕事について当時の自分の行動や気持ちを考えると、もっと努力できる手段はあったと思う。

だけど、目先の利益ばかりで本当にクライアントもその先の旅行者のことも考えていない会社。
自分が有名になって賞賛されたいと従業員を振り回す社長。
周りがそうであっても変えられるのは自分だからと思い、私なりにどうしたらいいのか提案しても「若いのに」「経験ないのに」「よそ者なのに」と、若いのも経験ないのもよそ者なのも確かに事実ではあるが、それがなんで仕事と結びつけて従わせようとしている人たちの考え方に納得がいかず、ただただ駒として考えていない会社ではやっていけない。そう思ったのである。

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共に働いている人のことを考えていない会社の考えに、疲れ切ってしまった。
こんなことでお金を払ってもらってご飯を食べていく社員の考え方で、いつかは信頼を失ってもおかしくないことをしている会社があることにガッカリした。
でもそんな甘えたことを思っていてもいけないし、生ぬるいところではなく厳しい環境下にいないと私は成長できない。
好きな業界で頑張って仕事をしていきたいと思ってもうまくいかないのが、仕事の意味を失われてしまいそうだった。

年齢が若いのは仕方がない。
そうしたら「経験」を積まないと私は成長できない。
でも今の会社ではできない。ただの「旅行好き」だけでは何にも残らない。
旅行以外の強みを経験として培わないといけない。
先急いだって何もならないし、着実に自分ができる強みを模索しながら現実を見て取り組まないと一生私は成長できない。
夢に向けて逆算して考え私は決心した。
思い切って業界を変えてめちゃくちゃ努力して経験することを決意し、今の会社に就職した。

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まさに今の会社は厳しい会社で(面接時でも「厳しいからね?」と言われた)、何度も厳しいことも言われ、こんな自分に「今までの社会人人生何をしていたのか」と自分で自分を責め立てて苦しい気持ちにもなった。
「総務で仕事をしバックオフィスを固めた方がいい」と真剣に私のことを向き合っていただいた言葉で少しずつメンタルは回復した。
今は目の前のことを常にスピードとクオリティを上げて仕事に取り組んでいる。

今の業務だと経験に繋がるの?と思われてしまうが、確かにたまに「何をしているのだが」と思うことはゼロではない。だけど。どんな仕事にも繋がると思っているし、辛いこともあるが這い上がってこれた。
今回のテーマは「仕事との距離感」。
距離感で例えると、夢のことを考えると、遠いかもしれない。
だけど、今の仕事は共に走っている。
毎日の仕事が経験として積み重なっていると実感している。

これからは、今の仕事をしながら観光業に携わっていけるように動こうと行動しようと考えている。
とはいえ、焦りは禁物!
自分のメンタルを保ちながら、何より生活を維持していくことも割り切ることも大切だと今の会社で学んだ。

私にとって「仕事」は「夢に向かって取り組むために今という経験を積み上げていく」こと。