大学生活を『人生の夏休み』と名付けた人は、一体どんな学生時代を送ってきたのだろうか。
受験生だった頃はその言葉を鵜呑みにして「受かればあとはこっちのもん!」と思っていたが、入学して一週間ほどでそれが嘘であることに気が付いてしまった。
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現在、テスト期間。現実逃避がてらこの文章を打っている。もちろん真顔だ。
チート紛いの手段を用いたことにより、履修科目数が上限を突破した。クラスメイトより授業を詰め込んでしまったこの一年間が本当に苦しかった。その苦しみからあと二カ月で解放されるのである。今年の終わりと共に。
一言で表すならば散々な一年だった。もはや思い出すのが面倒くさい。
そんな状況でも一週間後に約束した友人とのご飯や、SNSを毎晩漁ることや、ソシャゲのイベントを楽しみに、だましだまし生活した。もうなんでもいいから現実から離れられるものを見つけて「楽しい!」「充実してる!」と思い込んできたわけだが、それも限界である。
安易に時間割を組んでしまった自分の頭を引っぱたきに行きたい。お前は正気か、と。
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この二カ月で私がすべきことは、定期テストで及第点を取り、テストに代わるレポートを書き、これまたテストに代わる模擬授業(教育学部生なので)を突破することだ。
あわよくば良い評価が欲しい。ただでさえそれは難しいが、周りの学生より多く授業を取ってしまったがために、私は彼らよりも上手に時間を使う必要がある。自分を楽しませる時間なんてもう残されていない。無心で駆け抜けるスタミナと根性のみが求められるのだ。
だから決めた。スマホの使用時間を一日一時間にすることを。もちろんパソコンで見たSNSの時間も含む。ただ、必要な連絡の返信が滞ってしまうことから、制限をかけるアプリは使用できない。あとは自分の意思でどうにかするしかないのである。
私は暇さえあれば意味もなくスマホを眺めてしまう人間だ。けれどやるしかない。そうでもしなければ私がダメになってしまいそうで。ダメになった自分を嫌いになってしまいそうで。
自分のためにこの縛りをかけ、冬休みが来るまで乗り切ろうと思う。
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この二十年で一番頑張ったのは、おそらく高校受験に向けて勉強していた中学三年生だ。大学受験ではなく。スマホを持っていなかったので、食事だけがストレス解消法であり娯楽だった。後は模試の成績を眺めてにやにやしていたくらいだろうか。
大学受験の時は、高校三年生の大事な時期に休校となり、先が見えない不安から心が乱れ、祖父が亡くなり、家族ともうまくいかず、そんな現実から逃げるようにスマホを見ていた。それくらいしか自分の癒し方がわからなかった。その癖が今も抜けずにいるような気がする。
正直、スマホを見ている時間は無駄だと思う。やめたい。それなのに、理由をつけては自分を甘やかしていた。
変わるなら今なんじゃないだろうか。理由もあって、頑張りたい目標もある。
たかが二カ月、されど二カ月。そうしたところで何も変化がないかもしれないが、やってみる価値はあると信じている。