現在のパートナーと一緒に暮らし始めて7ヶ月。家の中も整って住み心地は抜群。少々田舎ではあるが、満足のいく暮らしをしている。
そして一人暮らしという過程もすっ飛ばし、窮屈だった実家を出て誰かと暮らすというのは私にとって良いことづくめなのだ。
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まず、一緒に暮らし始めていいなと思ったことがある。それは「行ってきます」を言える、もしくはお見送りすることができることだ。
パートナーは比較的朝早くに仕事に行くので、わたしが見送ることが多い。玄関でハグをして、その後すぐにベランダに移動、彼の背中が見えなくなるまで見送る。それがすごく幸せに感じる。私が先に家を出る時も、彼は同じことをしてくれる。
まだ一緒に暮らしてたった7ヶ月ではあるが、1日も欠かしたことはない。ちょっとした自慢である。
もうひとつ幸せを感じる瞬間がある。それは、夕食が終わった後のコーヒータイムだ。
私がコーヒーを淹れる係に任命されたので、職務を全うしている。パートナーはいも美味しいと言ってくれる。それはもちろん嬉しいことだ。
コーヒーを一緒に飲みながら、今日あった出来事を話す。他愛もない話を夜が深くなるまで続ける。その時間はとても穏やかで、私たちにとって至福のひとときなのだ。おじいちゃんおばあちゃんになるまでこうやって過ごしたいなと思う。
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何度かエッセイに書いたことなのだが、私の実家は非常に不仲である。行ってらっしゃい、行ってきます、なんて言ったことはないし、家族がリビングに揃うことはない。いつもピリついた雰囲気で落ち着かない。だからこそパートナーと暮らして、より幸せを感じるのかもしれない。
仲の良い家庭で育った人にとっては当たり前のことが、私は27歳にしてようやく実現できている。そのことに深い喜びを感じる。
そしてさらに、実家を出たことにより母や姉との関係性が良くなってきたのだ。
もちろん頻繁に顔を出したいとは思わないけど、たまに実家に帰ったときは歓迎されるようになり、会っていなかったときの出来事を話すようにまでに関係は修復した。
親子、姉妹とは言え適切な距離感はあるものだ。数ヶ月に一回会うくらいのペースが丁度良いらしい。これくらいであれば実家に帰ることも苦にはならない。普段はまったく連絡を取ることもないから、日常的に実家の事を気にかける必要もないのも利点だ。
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私は一人暮らしの経験がなく、家事には自信がない。逆にパートナーは家事が得意なので最初は引け目を感じていたが適材適所、得意な事を分担してこなしていけばいいだけのことだ。そして家事はやっているうちにできるようになっていくということも知る。
ただ生活習慣のすり合わせは少しだけ大変である。バスタオルの交換頻度や食べ終わった食器を洗うタイミングなど、一緒に暮らすまでは分からない価値観が存在する。お互い違う家庭で育ったのだから仕方のないことだ。新しいルールを作っていくしかない。
パートナーも、過去には私と同じように家に帰りたくないと思ったことがあるという。だから帰りたくなるようなおうち(家庭)を作ることが2人の目標だ。
もう既に叶ってはいるけど、これからも感謝と思いやりの気持ちを忘れずに、ますます居心地の良いおうちと関係性を築いていきたいと思う。