久しぶりのエッセイの投稿だ。半年くらい何も書かなかった……。書かなかった期間を振り返れば忙しさばかりが目立つが、携帯のカメラフォルダを見ては充実していると感じる。充実していると感じる心を持てるという余裕が、自分の中に出来たのではないかと思った。

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昨年と比べてみると、目に見える変化と目に見えない変化がある。
目に見える変化としては、印象が強いことは3つある。
まず収入が上がったこと、社会保険に入ったことで親の扶養を自分で抜けたこと、そして姿勢が良くなったこと。

収入が上がるきっかけは、日雇い勤務の派遣会社を変えたことで時給が上がったことと、いつもの職場で欠勤した職員の代わりに出勤したことである。
社会保険に加入した時は偶然であった。雇用保険の加入の相談を派遣会社の担当さんにした際に、勤続1年以上が経過しているので社会保険の加入を勧められたことである。とりあえず私だけ親の扶養から抜けることになった。保険証が届いた時は、自分の力で掴み取った金メダルのような気分になった。

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そして姿勢が良くなったのは、なぎなたを始めたからである。4月、娘が小学校に入学した。ある土曜日の朝学校内の預かり事業に娘を預けに行った際になぎなた教室のチラシを見つけたのだ。月1000円の時間帯も私が空いている時間だった。すぐに担当者に連絡をし、体験に行った。はじめは娘だけだったが2回目の体験の際に先生から声をかけて頂き、始めることになった。

習って半年になるが、私ははっきり言って下手である。子どもたちの前で大きな声で指摘される、まるで公開処刑である。
滑稽な姿だが、お腹を触ると木の板のような感触である。体重は変わらない。しかし去年の今頃と比較すると、もしかしたら痩せているかもしれない。
鏡を見ながら練習する時もある。はじめは言われたようになぎなたを振りポーズを決めるだけだった。しかし最近は胸を張り骨盤を立てることを意識する時間が、お稽古中も増えたかもしれない。

なぎなた以外でも良い姿勢を意識する時間が増えただろう。ポシェットなど荷物が軽い時のお出かけやYouTubeを観ながらやるヨガや筋トレなどの体操。どれもこれも格好を合わせることに必死だったが、最近は中身も伴うようになった。

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そして目に見える変化を作っていたのが、目に見えない変化である。
以前の私はパズルで例えるなら枠を組み立ててから中身を完成させていく形だったが、今は中身から組み立てているように感じる。理想を設定してからそこに進む方法を今までしていたが、挫折ばかりだった。継続出来なかったから、そして結果が伴わなかったからだ。
しかし私は理想を決意や覚悟に変えた。だからその為にやるべき道が出来たのではないかと思える。

以前はどうだったのだろうか。自分の理想に他人を巻き込んでいたのかもしれない。
彼氏は彼女のことを大切に思うなら相手をときめかせることをしろ、娘は賢く出来る子であるから勉強しろと。何もしてくれない彼氏に腹が立つ。賢いはずなのに努力をしてくれない娘に腹が立つ。その中にあったものは何も無い。成金がブランドもので身を固めているようなものである。

今の私は、理想よりも現実を見るようになった。彼氏は今の自分が出来る形で私にたくさんの愛をくれる、娘は勉強だけでなく自分が興味関心があるものを探し追求して挑戦している。今私の中にあるのは、大企業の創業者が下積み時代から持っている懐中時計だったり、ペンダントのようなものである。
一緒に前を向いて進んでいるものではないだろうか。

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彼氏が好きな言葉の「人間万事塞翁が馬」、ここに辿り着くまでに色々あったけど、それで良かったと思えた。そして私が好きな言葉の「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし」これが合わさる。
まだ成長段階ではあるが、今年は飛躍的成長を感じた1年であった。