ついこの前、結婚した。3ヶ月ほど前の話だ。
学生時代は長らく彼氏がいなかったので、結婚なんて夢のまた夢だった。
どんな人がタイプ?どんな人と結婚したい?彼氏にすべき人と夫にすべき人、やっぱり違うのかな?
そんな妄想を繰り広げては、カフェで何時間も友人とおしゃべりしたあの日。どんな人と付き合うんだろう、どんなプロポーズをされて、いつ結婚するんだろう、子供は…など理想を語り合っていた。
実際には、思っていたよりあっさり結婚してしまった。大学院生になってから夫と出会い、友達期間を経て交際した。同棲ののち、そのまま結婚した。
あのとき延々と語り合った、理想の人とはだいぶ違った。今まで好きだった人とも性格はかなり違った。
でも、今までのように心を振り回されることなく、穏やかで、本音をさらけ出しても受け止めて愛してくれる、そんなどっしりした揺らぐことのない幸福感に包まれた。最強のパートナーを手に入れたような、そんな気持ちになった。
幸せにあふれた結婚生活。唯一大きく変わったものは……
幸せであふれているが、ひとつ結婚前後で大きく変わったものがある。
問題に対する向き合い方だ。
結婚したら、色々と解決しなくてはならない問題が出てくる。家族計画、実家との関係性、勤め先、家の購入、保険の加入など考えだしたらきりがない。
恋人でいたら直視せずとも「大変だね」の一言で済んでいたあらゆる問題が、結婚したらそうはいかない。直視しなくてはいけなくなる。
私たちは比較的仲が良い夫婦だと思う。趣味を共有して、一緒にYouTubeをやったり植物を育てたり料理をしたりしておうち時間を過ごしてきた。ふたりで過ごす時間は、穏やかな時間だ。
しかし、最近意見が衝突することが出てきた。恋人の時は個人と個人の付き合いだったが、結婚は家と家との付き合いになる。
例えば結婚式1つにせよ、自分たちの希望だけで進められるものではなく、多方面を考慮してバランスを取る必要がある。誰を呼ぶのか、どのぐらいの規模か、どのくらいの予算でやるべきか。あらゆる軸で最適解を夫婦一緒にとことん考えなくてはならない。
恋人のままだったら深入りせずに済んだのかもしれないけれど
今後、もし子供が出来たら、育て方に関しても色々とぶつかる部分もあるだろう。介護の問題も多分出てくる。解決しなくてはならない問題が次から次へと出てくるはずだ。
離れ離れで恋人のままいたら、深入りせずに済んだかもしれない。複雑な家庭環境に巻き込まれずに済んだかもしれない。
でも、それも含めて、覚悟を持つこと。共に乗り越えられるはずだという信頼と、ちょっとの勇気を持つこと。
それが結婚なんだろうと思った。
相手の話を受け止めて、そばに寄り添う。そこは変わらないが、最強のパートナーであり続けるためには、受け止めるだけでなく乗り越えていかなくてはならない。
やっぱり、恋愛と結婚は、全然違う。恋人と家族は、全然違う。