「成長」と聞いて、みなさんなら何を思い浮かべるのでしょうか。
残念ながら、私は高校生の頃から心身共に一ミリも成長しておりません。
お金の管理が相変わらず苦手で、クレジットカードの限度額を振り切ったことが何度かあります。
料理は好きですが、片付けがいつまで経ってもできるようにならず、一人暮らしをした際にはとんでもない量のお皿を溜め込んでいました。
掃除は壊滅的にできません。時々思い立って部屋をひっくり返す勢いで掃除はするのですが、一週間後には元通りです。
それが後天的に負った障害の特性なのか、はたまた元来の怠惰な性格によるものなのかは分かりません。

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ですが、ひとつだけ進歩がありました。
ここ数年で「幸せになるために楽をする」ということを覚えました。

どういうことか。
私はどうやら自罰的な思考に走ることが多いようです。「なまけ者なんだからこれぐらいやらなきゃ」というような考えから、本来ならやらなくていいこと(またはお金を払えばやってもらえること)を積極的に受け入れてしまうのです。
そう考えている。でも、どうしてもできない。なぜかできない。具合が悪いわけじゃないんだけど、できない。
そんなことが受傷してから頻発するようになりました。

「発達障害サバイバルガイド」という本があります。
文字通り、発達障害(またはその傾向にある人)の方向けに書かれたライフハック本です。
私は発達障害の傾向も併せ持っていますので、この本には大変お世話になっております。
最初にこの本を見かけたときは、どうにかしてうまくやっていける方法(例えば、両膝を叩いて気合を入れなくても、自力で皿洗いができるようになる方法など)が書かれているといいな、と思い購入しました。
ですが、本の中で印象的だったのが、次の文章です。
「サバイバルとはよりラクに、より快適に、より優雅に生きられる環境を自らつくり上げていくことであることであると、本書では定めています」

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最初は、「よりラクにって、なんだ」と思いました。
読み進めていくと、「使ったお皿を溜めてしまうなら、食洗機を買えばいい。あなたがやらなければいけないことは、食洗機に皿を放り込むことだけだ」。そんなことが書いてありました。
目からうろこが落ちました。
「あっ、楽していいんだ。努力が足りないとか以前に、できないなら設備投資して丸投げすればいいんだ」
そう思ったのを今でも覚えています。
できないなら、やってくれるもの(こと、ひと)に投資し、丸投げする。
楽をする。そしてご機嫌に、幸せに生きる。
この本の内容について、私はそう解釈しました。

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それからは、何かと楽をする方法を常に模索しています。
お金が管理できないなら、スマホを駆使し徹底的に見える化して、使いすぎている自覚を持つ。
皿洗いができないなら、食洗機を買う(実際に購入までには至らず、現在は実家暮らしです)。
掃除ができないなら、掃除機をかけるという発想はやめて、毎日できそうなクイックルワイパーにする。
そうやって、少しずつ楽を覚えていきました。時々やりすぎて怒られますが。

成長した点といえばこのくらいでしょうか。怠惰まっしぐらなことを覚えたものです。
でも、私だけは私を救わなくてはなりません。なので、特に罪悪感というものは持っていません。
願わくば、この成長が私の人生において、一種の「発達」であれば、と思っています。