私が居ない間に、一緒に居ない間に、こんなにも旦那が独りで悩み、苦しんでいることを私は知る由もなかった。
海外遠距離恋愛でお互いにひとりの時間が長かったぶん、ひとりの時間や孤独な環境に半ば強制的に自分を慣れさせていたんだと、今、一緒に暮らし始めて実感する。

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家族のこと、仕事のこと、友達とのこと、過去の出来事や過ち、一緒に暮らし始めて二人になって見えた、色々なこと。
その中には、自分たちの努力次第で改善出来ることもあれば、私たちのチカラではどうにも変えられない事実もある。
そんな嬉しいことも悲しいことも、全ての感情を共有して一緒に支え合うために、「夫婦」になったはずなのに、私が彼にとってストレスの要因になっていた。
そんな私は無力だ。
「なんのためにここに居て、彼と一緒に暮らしているのだろう」
そんな風に、私は時々とても悲しく、辛くなる。

私と彼は、性格も考え方もよく似ているところが沢山ある。
彼も繊細なガラスのような心の持ち主だから、私みたいに言葉に出さなくても、彼の表情や仕草を見ていると彼の辛い気持ちもヒシヒシと私に伝わってくる。
時に言葉でハッキリ彼の素直な気持ちを伝えてくれる時には、その一つひとつの彼の言葉が、私の胸に矢となって刺さってくる。
その度に私は、私も同じくらいその彼の気持ちが理解できること、私も同じくらい彼と悲しみ苦しんでいることを実感する。
こんな苦しくて辛い感情は、一人で暮らしていた時だったら目を瞑ってその感情を無視しようと強がれていたのに、一緒に暮らし始めるとその感情からは逃げることが出来ず、真っ正面から痛みと向き合うことが強要される。

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「人生はマラソンだ」
調子が良い時もあれば、苦しい時期がそれ以上ある時もある。
長い長い道のりに半ば疲れてしまうことだってある。
それでも、そのゴールには達成感があり、「次はもっと良い成果を出そう!」と、その苦しみが一瞬で未来へのモチベーションへと変わるのを体感する。
「結婚すること」が、「一緒に暮らすこと」が、常にポジティブなことであるとは限らないけれども、いつも二人前を向いて、どんな境遇にも二人三脚共に出来るのが理想的だと強く感じる。

I, Natto, take you, my love,
to be my lawfully wedded husband,
to have and to hold from this day forward,
for better or for worse,
for richer,for poorer,
in sickness and in health,
to love and to cherish,
and I promise to be faithful to you
until death do us part.

新婦Natto、私はここにいる夫を
病める時も、健やかなる時も、
富める時も、貧しき時も、
夫として愛し、敬い、慈しむことを、
死ぬ時が来るまで誓います。

私はこれからも、愛する旦那と共に、この人生のように長いマラソンに挑み続ける。