私は、一人暮らしを2回経験している。
一度目は、大学時代に交換留学をした際、1年弱一人暮らしをした。
そして、二度目は社会人になってからで、現在も続いているが、もうすぐ結婚するため
あと数ヶ月で終わりを迎える。
この二度の一人暮らしを経験してわかったことは2つある。
1つは、私は寂しがり屋なため全く一人暮らしに向いていないということ。
そしてもう1つは、親の愛情だった。

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私は、大学時代は実家に住んでいた。実家から片道2時間(往復4時間)かけて大学に通っていた。
周りからは驚かれたし、どうして下宿をしないのかとよく問われたが、結局下宿しても家事に追われるので、どっちもどっちかなと思っていた。それに、留学することは決めていたので、そこで一人暮らしを経験できると思っていたので、それでよかった。

私は、両親ととても仲が良いが、母は少し過干渉、過保護だったためよく喧嘩をした。
留学に行く前は、早く留学に行きたい、出て行ってやる!と思っていたこともあった。
でもいざ行くとやはり寂しくなり、一人暮らしに向いていないと感じるようになった。
帰国して、また実家暮らしの生活に戻ったら、やっぱり家はいいなと感じた。
しかし、就職活動で私と母の関係は少し拗れた。というよりも、あまりにもずっと一緒に近くに居すぎたため、離れる必要があったのだと思う。
新卒時の就職活動は、正直思うようにいかなかった。就職活動がうまく行かなかった理由は、自分の考えの甘さが原因だが、私は荒れに荒れた。その頃、付き合っていた人ともうまくいかなくなっていたことも影響した。また、その頃、母の方も祖父母の介護によるストレスから、攻撃的な発言をすることが多く、よくぶつかった。母から就職活動に関して言われた無責任な言葉に憤りを感じ、家出するほどの喧嘩をしたこともあった。
家にいるのも限界だなと感じ、社会人になると同時に一人暮らしを始めた。

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これは今思えば本当に正解だったと思う。
離れたことで、近すぎて鬱陶しいと思っていた親の愛情を素直に受け取れるようになった。

母とは、毎日LINEをしている。そしてほぼ毎日電話をしている。
いつでも心配し、大丈夫と言っているにも関わらず、食べ物や冬には防寒具を送ってくる。
こんなに自分のことを気にしてくれるのは、この世で両親と祖父母(と彼氏)以外いないということを実感した。
社会人1年目でパワハラで休職することになったが、その時には、両親と祖父母は会社に行けなくなったことを嘆くのではなく、実家に帰って来たことを喜んでくれた。
安心した。これが、無償の愛かと思った。
パワハラによる休職は辛かったが、こんなことでもないと、実家に長期間帰ることなんてそう簡単にできないので、その点だけは本当に良かったと思う。
祖父母とも良い時間を過ごすことができた。

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その後元気になったので一人暮らしに戻って、復職した。
でも、時々精神的に辛くなることがあった。
そんな時は実家に帰った。それか、彼氏の家に行った。
そして、週末に溢れんばかりの愛情をいっぱい浴びて、また一人暮らしに戻った。

そんな生活を繰り返してきたが、私は私で、この春から新しい家庭を築くことになった。
もう一人暮らしは限界だと思っていた私にとっては、願ってもない幸運だった。

一人暮らしは、誰かと喜びや美味しいものを分かち合うことに大きな幸せを感じる私にとって、向いていなくて辛かった。けれども、そのことを理解するために必要な時間だったと思う。
今は、愛情いっぱいに育ててくれた両親と、これから一緒に暮らす彼に心から感謝して、
残りの一人暮らし生活を謳歌しようと思っている。