最初は面白がって、茶化していたのだろう。
幼心にもその意地悪が鋭い矢となって、姉の優しい心に、弟のガラスのような繊細な心に刺さっていた。
そして、思春期になる頃には弟からはお返しのように、私はすっかり嫌われてしまい、今も疎ましがられる存在となってしまった。

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3人姉弟の真ん中で育った私は、自由に育ててもらったと言いつつも、上の姉にも下の弟にも自分の存在が埋もれないよう、当時は両親や姉弟に対する自己主張が激しかった。
その自己主張の一つに、姉弟に対する嫌がらせを日常茶飯事のようにしていた。
自由人ならではの性格なのか、自分でやると決めたことはとことんやり続ける、嫌なものは絶対イヤ!!と、何事にも答えが白黒ハッキリしていた。
それと同じように、姉弟に対する意地悪も、とことん自分の気が済むまで毎日のようにしつこくちょっかいを出していた。  
言葉で上手く自分の気持ちや感情を伝えられなかった園児のときは、髪の毛を引っ張ったり、噛み付いて泣かせたり、挙句の果てには階段から押して落としたり、肉体的苦痛をふるってしまったこともあった。
家の外では仮面を被ったかのように良い子ぶってニコニコし、家で見せる素顔とは程遠かったと今自分で振り返ってもそう思う。

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そんな酷いことに耐えてきた姉弟に心から謝りたい。
悔しい思いをして泣きじゃくったことも、ごめんなさいと素直に謝らなかった過去も、相手が怒られて私は労られるように仕向けた嘘も、全部全部、私のわがままでごめんなさい。

お姉ちゃんより幼いからとか、弟より大きいからとか、どんな環境・状況であれ、私が姉弟に対してとった自己中でわがままな行動は、今でもどこか許されていない事実がまさに物語っている。
上の様子を見て要領よく、下の様子を真似て適度に甘やかされて、わたしはそんな良いとこ取りばかりして育った。
お調子者で、お利口ヅラして、沢山の私のわがままを通してごめんなさい。
過去には戻れないけど、未来でちゃんとお返しします。

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大好きなお姉ちゃんと、逞しい弟としたいこと。
美味しい手作り料理を食べながら過去の写真を見返したり、両親も含めてよく行ってたビーチやスキーに行ったり、サッカー観戦すること。
私の中で今でも色褪せない楽しい想い出を、大切な家族ともう一度。
あんなこと、こんなこと、やりたい事リストがどんどん貯まっていく。
次の帰省に胸を膨らませて、今日という1日を、私はここで生きている。
沢山してきた私のわがままだけど、まだまだこれからも続くんだよ。
どんなときも広い心で私のわがままを受け止めてくれるお姉ちゃん・弟。
私はあなた達のわがままも待ってるよ。