自分の機嫌くらい、自分でとれるようになりたい。
息を抜くのが苦手な真面目女子にとって、長年の課題だ。
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「頑張って仕事しているのに評価されない」
「仲が良かったはずの地元の友達から、なぜか距離を置かれるようになった。今まで通りの関係でいたいのに」
「スタイルが良くなりたい。だけど甘いものがやめられない」
生きていれば、何かと悩みは尽きない。俯瞰してみると大した内容ではないのだけど。
人は変えられないし、自分の欲求を抑えてばかりではストレスが溜まる。すべてが上手くいくなんて幻想なんだから、考えたところでどうにもならない。それくらい、分かっている。
気分転換して忘れよう。旅行、読書、食べ歩き、料理、ランニング、ショッピング……。趣味がないわけじゃない。なのに、何をしていても悩み事を思い出しては、真剣に向き合って解決策を考えてしまう。気が晴れないまま何もやる気が起きず、せっかくの休日も無駄にした、なんてしょっちゅうあった。消化しきれない思いは、知らず知らずのうちに手が伸びる食べ物とともに、体に収めた。
いちばん後悔するのは、感情を処理しきれず、ふとした拍子につい、誰かに八つ当たりしてしまった時。自分の未熟さに何度、嫌気がさしたことか。
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今秋、子どもが生まれ、育休という、人生で最も長い休日を取得している。
休みといっても、24時間子どもと一緒にいる生活は、常に制限がある状態に近い。1日の予定は、子どもの機嫌によって決まる。時間はあるはずなのに家事は終わらないし、自分の息抜きなんてもってのほか。きゃっきゃ笑っているかと思いきや、突然、訳もなく泣き叫ぶ。どんなに子どもと向き合っても、毎日分からないことだらけで心身ともに疲労困憊の日々が続いている。
かといって、子どもに感情をぶつけてしまうことは絶対にしたくない。何とかしないと。
地元を離れ、相談できる相手がいない環境での頼みの綱は、行政が運営している子育て相談窓口だった。軽い気持ちで電話したが、助産師さんの一言に救われた。
「赤ちゃんって、毎日変わるからね。夜泣きが続いていた子が急にぐっすり寝るようになったり、今までミルクを飲んでいた子が哺乳瓶を嫌がって飲まなくなったり。その時々で対処するしかないから、考えすぎずにね」
あぁ、大人も同じだ。誰だって、いつも精神が安定しているわけじゃない。上手くいかないことがあってもなくても、気が晴れない日はある。ふと、腑に落ちた。
相変わらず、子育てに慣れないし、解決できていないたくさんの悩みに頭を抱えている。だけど、何もやる気がでなくても「そんな時もあるよな」。機嫌はとらなくていいから、負の感情に抗わずやり過ごす。それも一つの対処法だと思えるようになると、家事ができない私も、甘いものが我慢できない私も、自然と受け入れられた。
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仕事で毎晩、帰りが遅い旦那は休日、朝寝坊でなかなか家事をやってくれない。仲が良かったはずの友人から、LINEの返信はまだない。「旦那も友達も、今は自分に忙しいんだろうな」。自分に優しくなれると、人にも寛容になれた。
毎日、同じ感情の人はいない。きょうの私もあしたの私も、これでいい。