は~~。全国の奥様。ステイホームの冬、キツくないっすか……??私もさすがにそろそろ彼氏とお酒が飲みたい(え?)。

私は22歳に結婚・出産し、現在29歳で3人目の子どもを妊娠している。つまりその7年間の内の5年程は、妊娠中もしくは授乳期に該当していた。同世代の友人が社会人経験を積み、その中で上司や同僚、友人や彼氏とお酒を嗜んでいる間、私は家庭で麦茶を啜っていた。

自分が選んだ人生とはいえ、これは例えばレモンサワーで言うと、何杯分の差が同世代と付いたのだろう。そんなことを考えていたら、私もさすがにそろそろ彼氏とお酒が飲みたくなってきた。とはいえ私は既婚者だ。

「彼氏と」お酒を飲むことは一生無い(多分)。そして、まだ産まれてもいない3人目の子どもが卒乳するまでは、「お酒を飲むこと」すら封印されている。じゃあ、何かその経験に匹敵するような経験を、今すぐ、私が出来る方法はないだろうか。

妻や母というスイッチをオフにしたい ムクムクと沸く欲求

そもそも私がなぜ「お酒が飲みたい」かというと、スイッチをオフにしたいからなのである。妻というスイッチや、母というスイッチを。しがらみを気にすることなく時間を使いたい。
そしてなぜその相手に「彼氏」をご所望なのかというと、一個人としての人生を楽しみたいからなのである(爆弾発言)。彼氏と2人で過ごす時間って、確かそういうものだった(……気がする)。旦那と彼氏だった頃、彼氏(現旦那)とデートに出掛ける時は、相手の事を想像して準備をしたり、一緒に行ったお店の食事や夜景に感動したりした。それはまさしく、私という「個」の人生の、一瞬の煌めきであった。

一個人としての人生を楽しみたいって、やっぱ爆弾発言?子持ち主婦(しかも妊婦)が発信するのはマズい?……でも思っちゃったもんは仕方なくない??(開き直り)
既婚者の方や子持ちの方で、私と同じように妻や母というスイッチをオフにして、「個」としての人生を楽しみたいという欲求がムクムクと沸いてしまって困っている方は、居ませんか。
私が思うに、「さすがにそろそろ彼氏とお酒が飲みたい」とか発信してしまう状態は、放置するのは良くない……気がする。そんな状態ではご機嫌な妻にも、ご機嫌な母にもなれず、家庭にフラストレーションが貯まる一方である。

私のご機嫌を取るためにやる いつもよりゆっくり砂糖多めで

ならばどうするか。まずは簡単に、自分が変わることだ。例えば家事や育児にしたって、どうせやるのだからその中に自己満足できる要素を取り入れる。家族のための家事や育児と思わず、自分の機嫌を取るためにやっていると思い込む。音楽をかけたり、ラジオにリクエストを送ってみたり、好きなフレグランスに頼ったりして。

そしてその後は、旦那を変えることだ。私の個人的見解なのだが、旦那に対して「旦那だけスイッチオフで個人プレイしてズルい」と頻繁に思うなら、それは小出しにしておいた方がいい。例えばトーストを1枚焼くことすらしぶって妻が動くのを布団の中で待つ冬眠白熊ならば。

世の中には「旦那は誉めて育てましょう」というスタンスの妻向け自己啓発本が溢れているが、少なくとも我が家は、そのステップには今だ至っていないと感じる。誉め言葉って、勝手に口から溢れるものだ。思ってもいないことを、私は言えない。
だから、まずは実際思っている「ズルいズルい」を言えばいい。そしてその後、「今日はゆっくりフレンチトーストでも焼くか」と気分を切り替え、いつもより砂糖を多めにブチ込むのだ。

朝御飯が終わったら寝室の片付け。これも家族のためではなく自分のため。ふかふかのベットで転がる自分と息子達(とついでに白熊)を想像しながら。

ホットケーキミックスが消えた、冬にアイスが売れる。リビングの真実

去年のコロナによる休校期間には、スーパーからホットケーキミックスが消えた。それは各家庭で妻や母が懸命に働いていたからだ。例年冬にアイスが売れるのも、その分全国で奥様達が奮闘しているからなのかも。私も今日はスーパーで、箱のパルム(イチゴ味)を買ってこよう。甘いものは私達の処方箋だ。

そうして今日の私は、胸の中に生まれた「さすがにそろそろ彼氏とお酒が飲みたい」という欲望を、「さすがにそろそろ家族が寝静まったリビングでパルムが食べたい」にすり替える。私の「個」としての人生の一瞬の煌めきは、バーカウンターではなく、夜中のリビングにある。お酒の楽しみは、未来の私に取っておくことにしよう。

こうして世の中の妻や母は、2021年も逞しく生きていくのだ。