文章を書くということは、私にとって武器であり、約束であり、夢である。今回は、その話を此処に残したいと思う。

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私が文章を書き始めたのは、推しの俳優が出たドラマがきっかけだった。
そのドラマの主人公がコピーライターをしており、それを見たのを機に、私はコピーライティングについて調べ始めた。その延長線上で、今は文章を書くこと全般が好きになり、最近では小説を書くことにも挑戦している。

このエッセイサイトの募集に興味を持ったのも、より良い言葉を紡いでいけるようにアウトプットをしようと思ったのがきっかけだった。元々、本を数ページ読むことすら苦手だった私だから、まさか書くことをこんなに楽しいと思う日が来るとは思ってもいなかった。

始めは自分の言葉に自信を持てなかった私も、書き続けていくうちに自信を持てるようになっていった。今では私の武器になっていると思う。しかし、そうなるまでに苦悩もあった。

私は、言葉を扱うこと自体は簡単なことで、多くの人ができることだと思っている。だから、「いい文章」を書くためには、「私らしさ」や「私にしか書けない要素」を持たせる必要があると思っている。
しかし、それを考えていると、次第に言葉の渦に巻き込まれて、嫌気が差す。すると、文章を書くという行為自体に意味を感じられなくなり、ペンを投げ出してしまう。それなのに、その嫌だと思う感情すら自分の中で言葉になってしまうことにストレスを感じる。結果的に、こんなつまらないことはやめてしまおうと思ってしまう。
そんなことが今までに多々あった。

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それでも、私はやめようと思った回数の分だけ、続けようと思いなおした。それは、推しとの約束のおかげである。
私はいつか、文章を書くことを仕事にしてみたいと思っている。私がそう思っていることを推しは知っていて、そのきっかけが彼だということも、彼自身は知っている。

俳優として頑張る彼を応援する私に、「俺も応援してるぞ!」「頑張れ!」と言ってくれたのを今でも覚えている。
そんな彼に、私は「自分の夢を話して、頑張れと言わせた以上、頑張らないといけないと思う。それでダメだったら仕方ないけど、せめて全力は尽くさないといけないと思う」と伝えたことがあった。それは私にとって、彼という存在に一方的に込めた「誓い」であり、「約束」だった。

彼は、今でも私が夢を叶えるために文章を書き続けていることを知っている。だからこそ、何度くじけても、書くことをやめることはなかった。いつか私が本当に文章を生業にして生きることが出来た時、「あの時、頑張れって言ってくれたおかげだよ」と話せる自分になりたいと思っているからだ。

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私の夢は、彼の目を惹く文章を書くことである。
私は、彼の俳優としての才能を愛している。その演技力もさることながら、舞台の演出も手掛けられる彼の創造力に惚れ込んでいるのである。また、チャレンジ精神も旺盛で、次々に新しいことに挑む彼の姿は見ている人を飽きさせない。そんな彼を、私は尊敬している。

そんな彼が、駅で歩いてたまたま見つけたキャッチコピーや、たまたま手に取った本に書かれた言葉に心を打たれて、それが偶然、私の言葉だったら……。これほど素敵なことはないと思う。才能溢れる彼の感性を惹きつけて、その目を離したくてもできない。そんな文章を、私は書いてみたいと思う。

私はこれからも、書くことに何度も挫折するだろう。それでも必ず、何度も立ち直っては書き続けていく。
そうやって向き合い続けて研ぎ澄まされた言葉達は、きっと未来の私を守る武器になる。思い描いた強い大人になれた時、私に夢を見せてくれた憧れの人との約束を果たせる気がする。
そんな夢を、私にしか書けない文章で叶えたいと思っている。