2022年は男の人を知った一年だった。
数年前に手相占いをしてもらった時、恋は多いが見極めないと遊びで終わると言われたが、その通りになったのかもしれない。
2年付き合っていた元彼とよりを戻したこともあったけれど、やっぱり別れた。当時の私には、私にゾッコンな元彼より自分の好きな人を追いかけていたかったのだ。たとえ、遊びの恋だとしても。むしろ、私だって遊びだと自分自身に言い聞かせていた。
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ある彼とのデートの日はいつも雨だった。でも部屋だけだったから、天気は関係なかった。家に行って映画を観てお酒を飲むだけ。そのままセックスをして幸せな気持ちになる。でも彼はすぐに寝てしまう。朝が来たら帰るだけ。そんな日々を重ねていくたびに私は約束が欲しくなった。"大切な人"でいて良い約束。でもその約束はもらえなかった。
私は恋の風邪をひいた。大人の恋の風邪は本当にひどい。
心まで丸裸で吹きさらしの風の中にいる。誰もブランケットをかけてはくれないけど、暖かい裸の中に包まれている時がある。あったかくてなんだか幸せ。でも起きたらまた風の中。そうして恋の風邪をひく。
毎日に刺激がないから、安心がないから、愛すべきものがないからって暇つぶしのつもりで近づいて一緒にいて、気づいたら好きになってる。お決まりのパターン。きっとたばこと同じこと。好きになっちゃったら、やめたくてもやめられない。"経験"なんて耳障りのいい言い訳だった。傷つくまで途中下車はできない。
そんな中、彼と出会った。大学時代の友人だったが2年ぶりに再会した。何度か飲みに行き、そういう関係になってしまった。ああまた風邪をひいてしまうな。そう思った。
彼はセックスした後でも優しくて、可愛いと言ってくれて、好きと言ってくれる。外でも頭を撫でてくれて、電車でも手を繋いでいてくれる。こんな人が旦那さんだったらな、と彼を見る。ん?と言っているような目が可愛い。笑ったら、また頭を撫でてくれる。それで満足だった。この恋は風邪を引かなかった。
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彼のことは好き。できたらずっと一緒にいたい。でもきっと叶わない。これは遊びの恋だから。遊びから始まった恋だから。私の役割はきっと癒しだけ。これ以上になれることはない。
もう、これが最後でも仕方ないや。また会えたら嬉しいや。大丈夫、素敵な人はたくさんいるし、自分を磨けば磨くほど素敵な人に会える。だから寂しくない。
彼の優しさのおかげなのか、愛されることに対する諦めなのか、慣れなのか。わからないけど、たくさん恋愛したからこそ強くなった。好奇心旺盛な私にとってまわり道は必要だったと思う。まわり道をしたからこそ、たくさんのことが学べた。
2023年は恋の風邪をひかない。たくさんの人と出会って、また好きな人を見つけたい。そしてその人を大事にして自分も大事にされるのだ。叶わない恋に夢中になるのではなく、自分が幸せになる道をきちんと自分で選んで歩いていこうと思う。
自分を幸せな道に連れて行けるのは自分だけ。もうまわり道はきっと必要ない。