2023年を迎えると同時に会社員としての生活は終了した。
明けましておめでとう、そして無職がここに誕生した。

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みんなは2022年、自分がどれだけのお金を使ったか知っているか?
年末になると音楽の年間チャートとか、年間の○○ランキングとか、そういう番組ばかりである。私自身も年末に色々なランキングをつけた。今年の美味しかった食べ物のランキングとか、今年リリースされて好きだったアルバムのランキングとか……。

そこで辿り着いたのは使ったお金のランキングだ。私はどこにでもいる「金がない」が口癖のオタクであるが、一体何にどれだけ使ってこんなに金がないのか。そしてその生活を2023年もしてしまうと死活問題であるということもわかっていた。

私は今後の生活のために今一度、自分の生活にかけているお金をジャンルにわけ、年単位で計算した。光熱費、食費、ファッションや美容、旅行にライブ、今まで月単位で家計簿を入力していたExcelのデータがとても役に立った。

驚くことに娯楽費だけでとっくに100万円を超えていた。ここで言う娯楽費というのは、ファッションや美容にかけたお金や、旅行費、ライブのチケット代、推しのグッズ、そしてゲーム内課金額を含む。ぶっちゃけると、これらの総額が約120万円であった。

正直、無職のくせにこの調子で浪費しているとのたれ死んでしまう。転職活動に本腰を入れるのはもちろんであるが、もっとお金の使い方と向き合わなければならないと感じた。

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しかしながらどうしてこんな金額になるのか。ファッションは好きだけれど古着をこよなく愛する私は、リサイクルショップで0が二つしかつかないような服を好んで着ている。ごく稀に、普段の何十倍の価格でヴィンテージのお洋服を買ってしまうことがある。

コロナ禍でライブが制限されていた分、色んなライブやイベントに行った。こればかりはお金に変えられない価値がある。正直、チケット代を支払う時は胃が痛いが、ライブに行ってしまえば払った額の何倍もの価値があったと感じさせてくれる。

驚くべきはゲーム内課金額だ。ゲーム内課金というのは推しを求めて、ガチャなどにお金をつぎ込むことだ。しかし、注ぎ込んだからといって推しの獲得が保証されるわけではない。所謂ギャンブルだ。
ギャンブルに狂う人間はそれがギャンブルであるという自覚がないのかもしれない。正直、ギャンブルと言われればそれまでなのだ。

しかし、コンテンツが進化し、ゲームのユーザーへの供給が潤えば「これは自分の課金が実ったな」という感覚に陥る。これがギャンブルを自覚させない怖いところだ。
確実にお金は消えていくのに、不安どころか快楽を覚えている。お金が消えていく状況に快楽を覚え始める時点でギャンブルなのだと、どうしてもっと早く気づかないのか。

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100万円あったら全額推しに貢ぎたい!と、テーマに沿うと叫びたいところだ。しかし、人間生きているだけで、そこそこお金がかかる。ましてや昨年、やれコロナだやれ残業だで、まあまあ稼いだ私には「税金」という壁が立ちはだかる。
これに加え健康保険や年金など、人間はただ息をしてそこにいるだけでお金のかかる生き物なのだ。

しかしオタクという生き物は推しに従順であって、推しに払うお金のためであればご飯を1食抜くこともできるし、苦しい残業にだって耐えられる。お金の使い方も何を軸に考えるかで大きく違うのである。

自分が何にどれだけ使っているかを把握しておいて良かったと思う。断片的な記憶よりも、具体的に数字にして記録する方が圧倒的に今後の使い方を考えるのに有効的だ。

働き始めて100万円という額を手にするのに何ヶ月もかかった。しかしニュースでは何億、何兆というお金がこの日本の中で動いているではないか。収入がなくなった私にはなんだか遠い世界の話のようにも聞こえる。
今年はもっと真摯にお金と向き合う年にしたい。