文章を書くことは、心を整理することに近い。
普段言えないことでも、書くことで言語化ができて、自分がいま考えてることを文章にもくもくと打ち込める。これは自分なりの瞑想なのかもしれない。
それに書く作業は、自分と向き合える。こんな考え方をしていたのかと改めて見直せる。
今書いているこの文章も、自分の心の作業のひとつだ。より分かりやすく読みやすいように何度も考えながら、言葉の順番はあっているかと1つ1つ確認をしている。
書くことで何かがすぐ変わるわけではないが、ただ書くことにひたすら集中する時間は私にとってご褒美だ。
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2022年3月、精神的な病気を持ち休職中だった私は、何かやりたいと思い立った。たまたまインスタグラムを見かけたときに、かがみよかがみで、エッセイを書いてみませんかという広告を見つけ、導かれるように詳細を見た。
エッセイのテーマが自分の心境にピッタリはまるものだったので、文章が下手でも何でもいいから私の気持ちを書いてみたいと、久しぶりに書いた。
文章を書き始めると次々と書きたいことがわいてきて、自分の素直な気持ちを書けた。書くのに夢中になってしまい、「ほどほどに休みながら書きなさいよ」と母に心配されるほどだった。
でも、休みながらも3日で書き上げたことは、自分にとってとてもすごいことだった。なぜかというと、私はマイペースで、てきぱきとした作業が苦手だから。
宿題を期限ぎりぎりにやるような子だった私が、期限に間に合わせて書けたことに対して、自分に感激してしまった。締め切りよりも早く書いて提出するというのは、こういうことかと今更ながら思った。
そのあとに編集者の方からのメッセージを見て、私の文章がまとまりがあって読みやすいと書いてあり、うれしくてたまらず、「ああ、私って文章を書くことが好きなんだ」とあらためて気づかせてもらえた。
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エッセイを書き終えサイトに載った後に、知人にも文章を読んでもらった。その時の反応は、怖くてたまらなかったが、「すごい!こういう文章を書けて、しかもサイトに載るなんて、本当に素晴らしいことだよ」と言ってもらえた。そのおかげで、自己肯定感が少し上がったような気がする。
家族にも「あなたが書いてたのは知ってたけど、サイトに載るの!?本当にうれしい」と言われ上機嫌になった。
書き上げた達成感もあり、しばらく書かなかったが、またこうして書けることが本当にうれしい。
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かがみよかがみにエッセイを載せてもらったことは、私にとって貴重な経験だ。自分の書いた文章が誰かに読んでもらえることのうれしさ、気恥ずかしさもあるけれど、感想をもらえたことが何よりもうれしい。もらった感想は、大事に心にとどめている。
これがきっかけで、文章を書くという仕事にも興味が出てきた。もっとエッセイの本を読んで、勉強して、自分なりの素敵な文章を書きたい。
そして私には新しい目標ができた。いつか自分の本をだすことだ。自分のエッセイをいいなと思ってもらえるように、これからもぼちぼち過ごしながら、まったりと書く練習をしていく。