中学生くらいから、自分のことが嫌いだった。別に何かきっかけがあったわけでも特別な理由があるわけでもなく、ただぼんやりと他人に羨望の眼差しを向けていた。
私じゃなくてあの子なら、もっとうまくできていたのかな、私のせいで失敗したのかな。よく分からない不安を抱えたまま、私は大学生になってしまった。
でも、大学生活でのある経験が、私に大きな変化を与えてくれた。
軽い気持ちで入ったラクロス部。私の生活は一変した
私は大学に入学したての頃、運動がしたいな、友達が欲しいな、みたいな軽い気持ちでラクロス部に入った。そこから私の生活は一変した。
朝は7時から練習、大学生なのに週5で部活、厳しいルール。私を待ち受けていたのは想像もしていなかった超ハードな毎日だった。
大学の課題は山積み、アルバイトもしなきゃいけない、部活は毎日のようにある。毎日疲労困憊だった。それでも、一度もやったことがないラクロスという競技が楽しくて、先輩や同期と過ごすのが楽しくて、一度も辞めたいとは思わなかった。
あっという間に1年生が終わり、2年生になって後輩が入部してきた。追い抜かされるかもしれないという若干の不安を抱えながら、それでも誰よりもストイックに練習に取り組んで迎えた夏。結果はBチームだった。
私のポジションは1枠で厳しい戦いだったが、私はそれに負け、公式戦に出られるAチームに入ることが出来なかった。そこからの練習は精神的にしんどくて、はじめて辞めてやろうか、とまで考えた。
私のことを気にかけてたくさんの先輩が声をかけてくれて、何度も自分の思いを話して伝えたけど、自分がこの結果、現状に感じている気持ちは本当にそれなのか、全く自信が持てなかった。被害者を演じているのでは?どんな状況でも頑張るいい子ちゃんを演じているのでは?本当の自分の気持ちがどんどん分からなくなって、さらに自分を追い詰めていった。
この悔しさは私の糧になる。そう思って書き始めてみると
そんな時、私はふと自分の思いをノートに書いてみようと思った。
引退していった先輩が「一年生の時から書いているラクロスノートをたまに見返して自分を鼓舞する」と言っていたことを思い出したからだ。
私はこの悔しい思いは絶対に自分の大きな糧になると思って、ペンを手に取った。
書いてみるとペンは一度たりとも止まらず、あっという間にノート見開き1ページがぎっしりと埋まった。書き終わって、こんなにも思っていたことがあったことに自分でも驚いた。
しかしそれと同時に、自分がどうなりたいかが明確になり、自分の中で前向きな気持ちが少しこぼれた。自分の中で悔しい気持ちを決意に繋げられた瞬間だった。絶対に次は自分が一番になる、絶対に上手くなる。そう決意を固めることが出来た。
私はこの自分の感情を「書く」という経験が、本当の自分の気持ちを知るきっかけとなった。それと同時に、ここまで熱くなれる自分最高じゃん、と、ちょっと自分を見直すことが出来た。
感想を文章に残すことは、自分を探すこと
自分の今思っていることを文章として残すことは、自分の今の気持ちを整理して次に進むための大事なステップだと思う。自分の感情と向き合うには、自分の嫌いな部分とも向き合わなければならない。でも、自分の嫌いなところが明確になれば、自分がなりたい自分も明確になる。
私たちは、思っているよりも自分のことを知らない。理解をしているつもりでも、意外と知らないところで自分の感情は揺れ動いていて、自分がしたいことを見失っているかもしれない。
自分の感情を文章に残すことは、自分を客観視して、自分を探すことでもあると思う。今の自分を見つけて、なりたい自分を見つけて追い求めることが、自分を好きになることの第一歩かなと思う。
自分が何を考えているのか知りたい、自分を自分で愛することが出来る人間でありたい、だから私はこれからも文章を書き続ける。