私は、昨年から自分が考えたこと・感じたことを思いつくまま記すノートを書き始めた。
きっかけは、ある女性から言われた一言だった。

自分を変えたい!そう思っていたけれど…

その女性とはSNSを通じて出会った。
ちょうどその時期、私は漠然と自分自身に不安を覚えていて、何か変わりたい、と思っていた。そこでキャリア形成や人生設計のために話ができる人を探しており、その中で出会った人の1人が彼女だった。

彼女と初めてカフェで話をしたとき、彼女は今まで自分がどんな仕事をしてきた、どんな思いでキャリアを築いてきたのかを話してくれた。一通り話し終わった後に「何か聞きたいことある?」と尋ねてくれた。しかし、私からは何も質問が出てこず、「特に思いつきません」と返事をしてしまった。頭の中では、彼女の話を聞いて感じたことや考えたことはあったのに、だ。

相手の女性は、「そっか。お話楽しくなかったかな」と言い、少し申し訳なさそうに微笑んだ。そして、私に一つの話を教えてくれた。

「私もかなり前に人生の先輩に言われたことなのだけど、相手に対して質問しない、ということは、相手に興味がない、ということなんだって。私は言われたとき、そんなことない!と思ったけど、後からよく考えてみると確かに質問をしようと思うほど興味を持って話を聞いていなかったかも、と思って」と言った。

私はその話を聞いて衝撃を受けた。ショックに思う反面、確かに自分の中で、自分の気持ちや考えを閉じ込めて相手に返そうとは思っていなかったかもしれない、と感じた。そう感じた途端、それは自分がなにも考えていないことと同義だと気づき、自分が空っぽのように思えた。

感じているのに言葉にできない。自分が分からなくなった

その言葉を受けて以来、人と話をするたびに質問できるようにと意識するようになった。
ところが、一向に質問できないのだ。さらにもう一つ、自分の意見・感想も言えないことにも気づいた。

頭の中では相変わらず、その瞬間に考えたこと・感じたことは飛び交っていた。それなのに、外に出そうとすると一言も言葉にならない。終いに、自分がどうしたいかということが自分でも分からなくなってしまった。変わりたいと思ったはずなのに、それも本当かどうか分からない、と悩む日々が続いた。

考えた挙句、「私は自分の考えや気持ちを言葉にするのが苦手なのだ」という結論に至った。そして、「それならば、自分の思いを言葉にする練習をしよう」と、ノートに文章を書くようになったのだ。

最初のころは、文章という形にもならず、単語が並ぶだけのこともあった。自分の書いた文章と自分の感覚にズレを感じることもあった。

しかし、だんだんと続けていくと、自分の考えたこと・感じたことがちょっとずつではあるが、自分にぴったりとした形になってきた。自分の考え・気持ちが浮き彫りになり、自分自身のやりたいことが掴めるようになってきた。そうなると、どんどん文章を書くことに充足感を感じ、もっと書きたい!自分を知りたい!と思うまでになった。

きっと自分の気持ちを言葉にするのが怖かった

今では、文章を書くことは私の人生になくてはならないものとなった。文章を書くことを通して、自分が何を感じ、どう考えて生きているのかを認識できるようになったのだ。

それまでの私はきっと、自分の気持ちや考えを言葉にすることが怖かったのだ。自分や他人と向き合わずに何も考えずにぼんやりしているほうが、嫌なこと・不都合なことを見ずにやり過ごせる。しかし、私はそんな自分を変えたいと思った。それなら、自分含め周りと向き合い、どう変化したいかを目をそらさず見つめることは必要だろう。

もちろん、苦しいこともある。それでも文章を書かずに向き合わずにいた頃よりも今のほうがずっとわくわくする。

文章を書くことを通して、自分でも知らなかった自分の気持ちや思考を知るのは思いのほか楽しい。この先も新たな自分を発見するために、そして、今よりも好きな自分に変わっていくために文章を書き続けよう。