私は地方から上京してきた大学3年生だ。コロナの影響で、1年生の時は実家で過ごし、2年生になり上京してきた。
周りはみな友達もできていて、サークルにも所属していて、出遅れた感満載でスタートした大学2年生。学校に行けば友達はできた小中高とは違って、行っても簡単に友達を作るのは難しかった。
サークルしかないと思い、体験にいった。そこで、大学も趣味も一緒の友達に出会うことができたのだ。見た目は怖かったけど、関わってみると優しい子なんだなっていうのが伝わってきた。私にとって初めて対面でできた大学のお友達だった。
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大学もサークルも同じで、仲のよかった友人に裏切られた経験をした。友達に裏切られるという事は今までになかったからどうすればいいのかわからなかった。
友達に相談すると、「縁切りなよ」といわれることがあった。でも、私にも悪い面があって、友達は裏切ったと思っていないこともあるかもしれない。私の味方になってくれることも嬉しいけど、客観的な意見がほしかった。だから、姉に相談した。
姉は私と一緒のタイミングで上京した。お互い、東京に友達が少なかったため、頻繁に会っていた。昔は喧嘩ばかりしていたけど、今では、友達のような関係になったと思う。
そんな姉が、私に日記を書いたらいいよと勧めてくれたのが、文章を書くきっかけになった。日記は誰にも見られないから、自分の思っていることを書けるし、人に相談するよりも楽だよと教えてくれた。
しかし、私は文章を書くことが嫌いだった。なぜ嫌いかというと、言葉が思い浮かばないから。
もともと読書が嫌いで、本を読まなかったから、語彙力がない。自分の考えていることや、思ったりしていることを文章化できなかった。だから、文章を書くことも嫌いになっていったのだ。
最初は、つまらなかった、辛かった、楽しかったなどと単純なことしか思い浮かばなかった。書きたいことはあるのに、それを書き起こすのは難しかった。
しかし、単純な感情を書いているうちに、だんだんと感情だけでなく、どうしてその感情が生まれたのかを書けるようになってきた。
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この経験から、文章を書くことはとてもよいことだと知ることができた。
考えているだけでは、忘れてしまうけど、言葉にして書き起こせば、忘れることはない。楽しかったことや辛かったことを記録できるのは良いことだし、書いたものを何か月後かに読むと面白い。自分の日常を見返せるのは文章を書くことではないか。
写真でも見返せるけど、文章の方がその時の感情や出来事を細かく知ることができる。それが、自分のことをよく知ることにつながるだろう。
そして、みんなからは「そんな友達縁切りなよ」って言われたけど、今でもご飯食べに行ったり、古着を観に行ったりしている。もし、お姉ちゃんがいなかったら、友達とは関わらないようにしていたと思うし、日記も書かなかったと思う。
お姉ちゃんのおかげで、日記を書いて、文章として残すことの大切さや面白さを知ることができた。