“文章を書くということ”は、人生のターニングポイントに深く関わるものであると思う。
書き始めからかなり重たいように感じられる文章を綴ってしまったが、これも文章の力であると私自身は考える。

文章を書くときは、誰かに見られる場合もあるが、日記のように自分の中だけで大切にする文章もある。人それぞれ“文章を書くこと”と聞くと、様々な場面や必要性が違うと思う。そこで私は自分の人生の中で、ターニングポイントと考えられる場面を想像した。

◎          ◎

一つ目のターニングポイントは、就職活動である。就職活動は目標を立てつつあるところなので、ターニングポイントにはこれからなるという段階である。

書類選考などでエントリーシートを提出する必要がある場合、自分について相手に分かりやすく伝えるために、表現することがとても大切である。
この場合の文章はもちろん自分のことについて書くので、自分の言葉に責任を持たなければいけないことは当然であるが、さらに自分自身に自信を持つ必要がある。自分のことは自分にしか分からないので、自分を信頼することが良い文章を書くことができる第一歩であると思う。

就職活動における文章は自分自身を振り返るという重要な意味も存在しており、自分自身のキャリア設計を考える有効な時間でもある。

◎          ◎

ターニングポイントと聞くと想像することは、人それぞれであると思うが、自分自身の心に深く残り、現在の自分に活かされているという定義であるとすると、私は恋愛も含まれると思う。そこで私は二つ目の自分のターニングポイントを恋愛とすることにした。

SNSなどでのメッセージのやり取りも文章であり、短い文章であるからこそ様々な感情が含まれているのであると思う。

昔、片想いをしている相手から「そういうところが好きだよー」と言われたことがある。 “好き”という言葉が私に向けて言われたことであることは確かであるが、その場面の私が好きなのか、私自身のことを好きなのかという大きな二択で悩んだ。

今改めて考えると、どちらも含まれていたのかなと思う。そして、重要なことはどのような返事を書くかということである。素直に「その“好き”ってどういうこと?」と聞くのか、とくに言及することなく「ありがとう」と返すのかということである。その他にも文章を考えられるが、当時の私は頭の中がいっぱいで、これしか思いつかなかったのである。
そして、その文章の意味を聞く勇気がなかった私は「ありがとう」と返信することを選んだ。

その選択が最善であったかと問われれば、分からない。しかし、この「ありがとう」には私の中にあるたくさんの想いが含まれていたということは確かであった。
短い文章の中にもたくさんの可能性が隠れていて、私の感情は揺さぶられるのである。逆に、短い文章だから想像が何倍にも広がるのかもしれない。

文章を書くことには、書いた人自身を表現するという役割だけではなく、人の感情も変化させるような大きな力がある。

◎          ◎

これまで個人的なターニングポイントとして就活・恋愛を挙げてきたが、ターニングポイントはもちろんこれだけではないと思う。将来結婚や転職もするかもしれない。はたまた現時点では想像もできない場面に出会う可能性も高いのである。

その度に文章を書く機会が増えると私は思う。もちろん良いことを伝える文章ばかりでなく、悲しいこと辛いことを伝えなければいけない場面で書く文章もある。しかし、どのような人生の場面を切り取ったとしても、文章は私の周りに常に存在し続けるのである。もしかしたら、周りではなく私自身の中に存在するのかもしれない。

人生のターニングポイントには“文章を書くということ”がそばにある。