2年前、街を歩いていたら見知らぬ男性に声をかけられ、今いくつ?と聞かれたので27、と答えた。
その時、男性が急激に私から興味を失ったのを感じ取った。
「あー、若くないんだね」と言われたのを今でも覚えている。
「結婚とか焦ってるでしょ」と。私は非常に驚いて、返答も出来ずその場を立ち去ったのを覚えている。
彼は特に引き留めてはこなかった。

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医者になった友達と大人になって久々に再会し、ご飯を食べた。
友達は「早く子供がほしい」と言っていた。
「好きな人がいるの?」と聞くと、「20代のうちに子供を産まないと、こういうリスクがあるから産みたい。でも相手がいない」と言っていた。
私は「30代で産んでる人だって全然いるから大丈夫だよ」と言ったが、彼女は30代からの出産や子育てがどれほど大変なことかを語った。
私は急に年を取ることが悪いことに思えた。

就活で、自分のやりたいことは何?と何度も聞かれた。
自分のやりたいことがビジネスや金儲けの世界には無いと自覚していながらも、私は生きるために、会社が求める人物像になりきった。
これが生き抜くための正解だと言い聞かせた。

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20代後半からもう若くないから結婚を急がなくちゃならず、30代になったら出産はリスクが高いから子作りにはげまなくてはならず、大学卒業後すぐにやりたいことを見つけて正しい進路を選択しなければならない(もちろん、上記の言葉だけが全てではなく、私がかけられた言葉のうち違和感を大きく覚えたエピソードの一部である)。

人生100年時代とは言えど、20代までに迫られる決断が多すぎると感じるのは私だけだろうか?私はもっともっと失敗したい、と思う。
20代も30代も40代もその先も、思う存分失敗して、乗り遅れて、「まだこんなことも出来ないの」って怒られて、「こんな年なのにみっともない」と言われてもいいから失敗したい。
失敗がゴールなのではなく、失敗を通して、自分の本当の望みを見つけたいと思うのだ。その望みは、年をとるにつれて、周りの環境が変わるにつれて、変化し続けるものだと思う。
一度こう、と思ったら一生変わらないものではない。だからこそ、ああでもないこうでもないを繰り返して、まだまだ自分は未熟者だな、もっと頑張りたいな、と思い続けたい。

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もうすぐ、私の20代は終わる。きっと未来の私は20代の私の生き方を後悔したりするんだろう。
しかし、20代は誰しもに平等に一生に一回しか訪れないので、私の20代はこうだった、と受け入れることでその後悔もエモいものになるのではないか、と思う。
そういうエモさを楽しんでいきたい。

未来の私よ、きっとあなたは今の私より可愛くて、賢くて、素晴らしい女性になっているはず。
いつ死ぬか分からないからこそ、誰かに何を言われても、今できることを楽しんで生きていこうね。
そこに年齢は関係なく、自分がやりたければなんでもやっていこうね。
誰かが「もっと若い時にこうしていればよかったね」と言ったとしても、若い時にしなかったからこそ得られる後悔や失敗のエモさを、蔑ろにしないでね。
これから何歳になっても、人生を楽しもう。