今でも思う、まるで映画の登場人物のように素敵な友人たちとの出会いは本当に奇跡だったと。
その友人たちとは、高校で出会うことになる。

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私が入学した高校は、地元では有名な進学校だった。制服を着て街中を歩く楽しそうな先輩の姿に憧れて、私もその高校を志した。それほど得意でなかった勉強を塾で補い、何とか憧れの高校に入学することができた。

高校に入学してから、私はずっと「変な人が多い」と感じていた。
高校入学後初めての遠足では、多くの生徒が楽しく草原を駆け回る中、持参したバインダーに挟んだ数学のプリントをこなす友人がいた。時間を無駄にしたくないらしい。
平日の登校時、キャリーケースで来る友人がいた。参照したい教科書の全てを持ち歩きたいらしい。
空に向かって色とりどりのカラーフィルムを掲げている友人がいた。詳しくは覚えていないが、可視光線を探していたらしい。
とにかく私はユニークな友人たちに囲まれて過ごしていた。

1年生までは不思議な世界だと思っていたその環境も、2年、3年と時が過ぎていくと、異常は日常に、ユニークな友人たちは楽しい談笑仲間になった。
そんな高校生活で、私は生涯の友と呼べるような友達が6人できた。その6人とは高校2年生の秋頃から仲良くなった。

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仲良くなったきっかけは、修学旅行先で千手観音の真似を7人でしたことだったと思う。
華の女子高生が千手観音の真似をするなんて、と、今考えるとにわかには信じがたいのだが、卒業アルバムを見ると、私たちは77人で見事な千手観音を表現していた。

7人でいるときは、独特な世界があったと思う。一般的な人々が仲の良い友達と遊ぶ時に感じる落ち着きも、もちろんあった。しかしそれ以上に、会話の展開の速さに遅れまいと頭をフル回転させている感覚、また、そこにユーモアを加える忙しさが、程よく脳を刺激して気持ちよかった。

奇数人のグループだったのに、私たちは分裂しなかった。非常に安定していた。誰が欠けてもいけなかった気がする。ちょうど高校生の時の記憶を手繰り寄せると、私たちは「希ガス」だった。非常に安定していた。
きっとお互いに尊敬して、尊重しあう関係だったのだろうと思う。だから私たちはお互いを傷つける言動をしなかった。受験期のピリピリした時期でさえ、協力し合って勉強をし、迫りくる睡魔に負けないよう支えあった。

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そんな私たちは、今年の1月も7人で集まり、7人で笑いあった。
出会ってから7年目になる。高校生の時は、真っ青なジャージに身を包んで世界史登場人物バトミントンをしていた私たちも、大人になり、ある程度綺麗な格好で、婚期の話なんてしながら、でも、変わらず独特なユーモアを挟みながら笑いあっている。

私は実は、高校で生涯の友ができるとは思っていなかった。自分には不相応なほど頭が良い高校だと、心のどこかで思っていたからだ。最終的にそれは杞憂に終わったのだが、私がどんなに勉強がつらくても、どんなに成績が低くても学校を辞めなかった理由は間違いなくこの6人の友達にあると思う。そして今、辛いことがあってもこの6人のうちの誰かに相談しようと思える。

中学3年生の時の少しだけ辛い受験期を少しだけ頑張って乗り越えた先に、こんなにも尊い、素敵な宝物が待っているとは思っていなかった。
この6人との出会いに、心から感謝したい。
最後に、拙筆ながらも文章を綴っている身としては、この6人の結婚式での友人代表スピーチは私に任せてほしいという密かな願望を、ここに記しておこうと思う。